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繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ
02.生前手記
黒華琴葉より、大切な部下へ。
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大切な部下へ。







私は昔居た、大切な部下が書いた日記、計五冊と、その部下と共に撮った写真全てを、黒い箱の様な缶の中に入れて、蓋をする。
 今までずっと宝物にしていた五冊の日記と写真。だが、今日区切りをつけるのだ。
「遅いです。もう、他の構成員を向かわせてしまいましたよ?」
 任務の集合場所に向かうと、其処には軍服を纏った少年が、額に青筋を浮かべながら仁王立ちしている。彼から漂うドス黒いオーラから、どれだけ腹を立てているのかが分かる。
「あ、仕事がはやーい。いつもお疲れ様―、最年少幹部殿―」
「誰の所為だと思っているんですか、この迷惑首領」
 軽く返す私に、少年は突っ込む。
 この組織の名は決まっていない。だが、世間からは「軍」と呼ばれている。
「で、その缶はどうしたんですか? 首領」
 「首領」と言う単語を強くして話す少年。
 今の私は、「軍」の首領―――と言っても、かなり前、それも軍が出来上がった頃から私は首領だが―――である。
 白猫を潰し、K猫を崩壊させる。それが、私の為たことだ。
「ちょっと、区切りを付けようと思ってね。最年少幹部殿」
 少年は「軍」の幹部。最年少で幹部の座まで上り詰めている。私には敵わないものの、かなり戦闘の技術はある。
「じゃ、ちょっと行ってくるー」
「あ……まぁ、知っていましたけど、ね」
 後ろでそんな声が聞こえたが、私は気にせず走る。
 今回の任務は敵組織の殲滅。なので、敵拠点まで行くと、既に構成員達が激しい銃撃戦を行っていた。まぁ、構成員と言っても、機械だが。
 敵拠点の中央まで来た。其処の床を掘り、缶を埋める。
 そして、敵拠点に火を放った。



「ん……? 此れは」
 僕が敵拠点に残党が残っていないか確認していると、敵拠点の中心辺りまで来た所に、焼け焦げて形が変形している缶が転がっていた。
「此れ、あの迷惑首領が持っていたヤツじゃないですか……」
 短く舌打ちをして、缶を開ける。
「うわ、何ですか此れ……趣味悪っ……盗撮したんですかね……流石迷惑首領」
 言いたい放題だなーそう言えば、と思いつつ、缶の中身を出していく。入っていたのは写真と日記だった。どうやら、写真の方は昔の仲間で、日記の方は仲間の誰かが書いた、生前手記の様な物だった。
「……持っていれば、弱みを握れますか、ね」
 缶から取り出し、持っていた袋に其れを入れる。
「此れで、迷惑首領が静かになればいいのですが」
 僕は、静かにその拠点を後にした。

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