02.生前手記
黒華琴葉より、大切な部下へ。
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。御褒美です。
単独任務で怪我をしてきた時、凄く心配しましたよ? だって、私の大切な部下なのですから。久しぶりに泣いて、心配しました。私の蛞蝓以下の優しさを、全て使った気分ですよ。私は本当に優しい訳ではないのに。
君は私の補佐……正式はそうではないけど、幹部補佐という立場になりました。真逆、此処まで登って来てしまうとは。真逆、毎日兄と共に仕事をしている気分にされるのか。そう思ってしまい、毎日の様に一人で騒いでいたことを思い出します。それだけ兄の事が嫌いなんだよ!
暫く毎日を楽しんでいると、急に君は貴女を連れて来ました。「珍しい」を通り超えて、「ありえない」と思いました。勿論、貴女を組織に迎え入れ、その弟も組織に入れました。貴女は弟のオマケ、と思い込み、弟は貴女のオマケ、と思い込んでおり、とても思い込みを解くのが面倒臭かったのは覚えています。
貴女は、日々新人達に混ざって訓練を行っていました。最終日、君が仕事を勝手に抜け出して、新人達の訓練を見に行ったときは、本当に殴ろうかと思いましたが、新人へ対する「思いやり」という事で許しましたね。今でも少し許せませんから。
その日から、ずっと貴女の所属が何処に為るのかが気になって、仕事に身が入らない君は、執務室に来る度にソワソワしていましたね。でも、しょうがないじゃないですか。私、その時期に丁度西の方へ主張が入ってしまい、忙しかったのですから。まぁ、余り遅れて居ない気もしましたが。
職権乱用。まさにそれです。本来、首領直轄の部隊に配属される筈だった貴女を、私の権限で私の部隊に引っ張って来たのですから。君と、貴女の為に。
それから、私は小さな敵組織と交流を持つようになりました。君がまだ私の補佐になるまでの間、よく私達を襲撃して来た組織です。その組織に、「数年前と同じ事を、もう一度する様に」と命令し、そして実行させました。しっかりと、私と同じ行動をとる君。そして、数年前の君と同じ行動をとる貴女。全てが計画通り、と言えました。
単独任務では、君には敵組織の撲滅の仕事を渡しましたが、貴女には、女性にしか出来ない色の仕事を渡しました。ですが、初めての事は大体失敗する物です。君は重症で帰ってきて、貴女は深いトラウマを負って帰ってきました。そう言えば、私の初任務も貴女と同じ様な仕事でした。当時未だ六か七くらいでしたが、大人に囲まれて育って来て、更に変装技術が優れていた私にとって、幼くても別に問題はありませんでした。その仕事は、無事何もヘマする事無く帰還しましたが。矢張り、才能の差という物ですかね。
「白猫に突っ込んで、出来るだけ組織を潰して来る」と言う、無茶振りな単独任務。私は能力を駆使して頑張って任務をしていましたが、生憎と向こうには一定範囲の能力を弱くするか、
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