機動戦士ガンダム
2127話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
こんにちは。君は1人?」
葡萄畑を見て回っていると、ふとそんな風に声を掛けられる。
畑の手入れをしていた、初老の女が声を掛けてきたのだ。
「ああ、ちょっと1人で見て回ってるんだ。もっとも、ここは俺には早かったみたいだけど」
「まぁ、ワインだしね。……ああ、そうだ。これを食べてみるかい?」
そう言い、女は実っていた葡萄の房を1つこっちに渡してくる。
それを口にするが……
「お、美味い」
何かでワイン用の葡萄ってのはあまり美味くないって聞いた事があったんだが……少なくても、この葡萄は十分に甘く、美味いと表現出来るだけの味だ。
そうして俺は葡萄をくれた女と少し話し、その場を離れる。
最初はキシリア機関の人間かとも思ったんだが、多分違うな。
勿論、ただ情報提供しているだけという可能性は否定出来ないが。
ともあれ、その後も色々と歩き回りながら観光をしていく。
一応、現在はジオンの独立戦争中なのだが……まぁ、戦争中だからこそジオンは現在圧倒的優勢で、サイド3は何の心配もいらないという風にしたいと思っている。
そんな可能性も、否定は出来ないのだが。
途中でワインの葡萄を使ったソフトクリームとかを買いながら色々と歩き回り……やがて、時間は夕方となる。
ここはコロニーなので、正確には夕暮れという時間に合わせて環境を変えるといった方が正確なのだろうが。
ともあれ、夕方になったことで葡萄畑で働いていた者達も帰っていく。
当然そうなれば、このコロニーに見学に来ていた者達も、ホテルなり宿なりといった泊まる場所に向かい始めた。
よし、人の移動が多くなる、この時間を待っていた。
そのまま近くにあった建物の隙間に入ると、影のゲートに身体を沈める。
そうして次の瞬間に姿を現したのは、ジェーンから教えて貰った、ケンの家族達が住んでいる住居。
人質という形ではあったが、一応ある程度の自由はあるらしく、家の外で働いたり子供を遊ばせたりといった事もしているらしい。
ただ、結局のところは一般人だからという理由からか、それともキシリア機関として他にやるべき事が多くて人手がないからなのか、もしくは逃げ出すようなつもりはないからか……取りあえず、ケンの家族が住んでいる家には盗聴器や監視カメラはなく、見張りの類も存在しない。
母親と娘、それと他にもケンの仲間の家族と思われる者達と共同生活をしている。
……いや、考えてみればおかしくはないのか。
もしケン達がジオン軍の中でも重要な地位にいるのであればまだしも、結局のところはただの兵士でしかない。
勿論その技量を買われて強制的にスカウトした以上、ある程度の期待はしてるのだろうが。
ともあれ、結局はただの1兵士ということで、人質を厳重に見張っ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ