第3話 魂の叫び
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「シーマ!貴様なんて事を・・・!たとえ事実だッたとしても指摘していいとは限らない事を知らんのかっ!?最初は松風君で、次には年上の先輩ばかり。漸くできた同い年の友人も、用事があれば再びボッチに巻き戻る。そんな由紀恵君に対して気遣いもしないとは言語道断!確かに最初は私にも初対面だと言うのに腹話じゅ――――松風君にばかり喋らせると言うのを前面に押し出す事にドン引きしたが、それも一つの個性だと一億歩譲って断腸の思いで割り切れば――――」
由紀恵と庇うと見せかけて?次々と彼女へのカミングアウトをするエジソン。
その度に由紀恵の瞳と松風の声音からは感情と言う色が失われて行く。
「――――で、あるからして」
途中で背後に居るであろう由紀恵に背中を触られた事に気付き振り返る。
そこで見たのは若干目頭に涙をため込んでいる由紀恵の姿だった。
「大丈夫ですトーマスさん。私、私・・・慣れてますから!」
そのまま来た道を逆走するように駆けていく由紀恵。
「あっ、待ちたまえ由紀恵君!っ、今回の事は帰ったら存分に解らせてやるぞ、シーマ!覚悟しておき給え!――――待ちたまえ由紀恵君って、早!?もうあんなに小さくしか見えんだと!?」
人の身で英霊の身体能力に近づくまでに上り詰めた由紀恵に、英霊になってから初めて人外の体を手に入れたエジソンでは追いつける筈もない。主に歩法や体の使い方、体力面など差で。
エジソンもいなくなってからシーマは困り顔を浮かべながら冬馬に聞く。
「これは余が悪いのか?」
「きっかけを作ったと言う意味ではシーマさんにも非はあるのでしょうが、そこから先の追撃から止めを刺したのはトーマスさんですから、最低でも9割以上トーマスさんが原因でしょうね」
冬馬が語る様に、由紀恵を悲しませた論争は現時点ではシーマが有利のようだった。
−Interlude−
梅屋を後にした士郎一行は九鬼財閥極東本部に来ていた。
「呼び出してすまない、士郎。よく来てくれた」
歓迎したのは英雄と専属兼序列一位のあずみだ。
いつもの3人の内1人のマープルはスカサハとともに現地の調査に赴いていて、他2人も忙しい様だ。基本業務と捜索とで。
「いや、昨日の今日だしな。これからの為にも情報共有は必要だろ」
「助かる・・・・・・が、ところで、如何してレオナルド殿が?」
「フフ、僕も知りませんでした。まさか英雄さんが“魔術”関連の事を既に認知していたとは」
「!」
レオの言葉に驚く英雄だが、それでも話を続ける。
「ですがそこまで不思議でもありませんでしたね。何せ、クラウディオ・ネエロ殿やミス・マープルが九鬼財閥には居るのですから」
2人
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