なんか出てきちゃったお蔵入り短編
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ったことに恥ずかしさがこみ上げるが、慌て過ぎて落としかけた本をキャッチするのだけは忘れずに済んだ。
アイズはどうやら本に乗っていた写真(オラリオでは馴染みのない技術だ)の少年が何者なのか気になったらしい。なにせ本のページ初めにでかでかと載っている子供だ。珍しくも思うだろう。
「ええっと………この人は、海の向こうにある『統一連合国』という国の成立に関わった歴史の重要人物の一人、だそうです。凄いんですよ、冒険者でもないのに10歳の頃には国王に認められていたんですって!!」
「……7歳で初陣。8歳で傭兵団の幹部格。そして14歳で歴史の表舞台を去る……ミステリアス」
「凄い人です。子供の奴隷から建国時の戦功者にまでのし上がっていながら式典の参加を固辞!なんっていうか、戦いに生きる人の誇りみたいなのを感じちゃいますよね!」
写真に写る少年は何か別の写真からの切り抜きなのか、横から誰かの腕が肩にかかったり後ろに誰かが立っている様子がわかる。傭兵とは思えないあどけない表情で笑っており、額には傭兵団の象徴である鳥のエムブレムが刻まれた額宛を装備していた。
この写真だけを見れば、とてもではないが彼がそれほど建国に尽力した存在だとは思えないだろう。写真撮影時期が3年前なので、今もこのころの面影が残っているかもしれない。
しかし、とアイズは思う。
「5歳から奴隷として扱われて、戦わされてたんだよね……わたし、5歳の頃は戦う事なんて考えてなかったな……」
写真の中で幼さを隠しきれないこの少年は、果たしてこんな風に笑うまでにどれだけの苦しみと悲しみを味わったのだろう。この後も彼は笑っていられたのだろうか。そして、ほぼすべての仲間を失った彼の胸中には、何が残ったのだろう――。
レフィーヤは無邪気に偉人としての彼に憧れのような感情を抱いているようだが、アイズにはどうしてもそうは思えなかった。
自身よる遙かに幼い頃より人間を殺す事を強要され、恩恵も受けられないまま戦場を駆け、格上と殺し合う。それがどうして美談や英雄譚になりうるだろうか。彼にはもっと、普通の生き方があったのではないだろうか。
両親がいなくなった「だけ」の自分は、まだ幸せだったのかもしれない。
なんとはなしに、アイズはそう思った。
= =
茶番:こんなエドヴァルトは嫌だ八連発。
その一。
「戦争するんならラキアがいいぜ?」
「マジかちょっと行ってくる」
オラリオに行かない。
その二。
「あの、傭兵の仕事探しに来たんすけど」
「募集してません。時代は冒険者です」
「えー……」
見通しが甘々。
その三。
「仕事がない。ショックだ。故郷に帰ろう……」
打たれ弱すぎてホームシック
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