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空に星が輝く様に
372部分:第二十八話 見られたものその三
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第二十八話 見られたものその三

 策を決めた。すぐにジュースが用意されて下剤もだった。数日後にはもうそのジュースを学校に持って来た。それを昼にだった。
「この時間に配ってね」
「それでよね」
「仕掛けて」
「ああ、下剤だけれど」
 橋口が笑いながら話す。
「効き目遅いのよ。大体放課後に効くから」
「ふうん、放課後になの」
「その時なの」
「そう。だからね」
 橋口は州脇と野上にさらに話す。当然ながらその顔は何かどす黒い笑顔になっている。その決していいとは言えない笑顔で話すのだった。
「西堀を呼び出してケリつけるにはいい時間よね」
「確かに。放課後だとね」
「丁度いいわね」
 二人もその通りだと頷く。
「じゃあその時に?」
「仕掛けて」
「そうしたらいいと思うわ」
 その笑顔のまま話す橋口だった。
「そういうことでね」
「そうね。じっくりとしないと駄目な場合もあるし」
 星華も星華なりに必死だった。例えそれが邪なものであってもだ。彼女なりに必死でありそのうえで話をするのであった。
「それじゃあね」
「放課後ね」
「一人になった西堀を部活に行く前に捕まえて」
「それでケリつけよう」
「うん」
 星華は三人のその言葉に頷いた。
「じゃあ」
「あんな奴に斉宮取られたくないよね」
「だからね。ここはね」
「何をしてもよ」
「皆、有り難う」
 星華は思い詰めたような顔になってこう述べた。
「本当に」
「いいって。それは」
「だって友達じゃない」
「そうでしょ?」
 三人は一転して優しい顔になって彼女に告げた。
「それじゃあね」
「うん、じゃあね」
「ここはね」
「絶対にね」
「決めるわ」
 意を決した顔で頷いてだった。そうしてだった。
 昼にだ。四人は何気なくを装ってクラスに出る。しかしそこにはだった。
「あのチビ、いないわね」
「何処かしら」
「食堂?一体何処?」
 三人が教壇にジュースを置いてから不機嫌な顔で呟く。しかし椎名も月美いないのをまた確かめてからだ。その何気なくの態度で皆に話す。
「皆、私の家のジュース余ったから」
「皆で飲もう」
「一人一本ずつね」
 三人のその言葉を聞いてだった。皆笑顔になって言う。
「おっ、いいな」
「じゃあ一人一本ね」
「そうなのね」
「それで御願いね」
「皆に一本ずつだからね」
「いない人には後で一本ずつ渡しておくから」
 こう言ってであった。いない人間を一人ずつチェックしてそれぞれの机に一本ずつ置いていく。ここまでは親切に見えるものだった。
 しかしだ。ここからが問題だった。
 野上がだ。教室に他の面々と一緒に出てだ。こう言うのだった。無論その手にはジュースがある。それを手にしての言葉だった。

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