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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第四十八話 命の理由 3
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れから、どうすれば幸せになるんだろうなって思って」

(嘘だな……)

戻ってきた返事に、アスカは直感的にそう感じる。

おそらくは、自分達に心配を掛けないようにそう言っているのだろうとアスカは思った。

できれば相談して欲しい、と考える。

(待てよ?このタイミングで悩み事?何を悩んでいるんだ?)

それまでは、エリオに不自然な所は無かった。

それが、今になって悩んでいるような素振りが見える。

(ヴィヴィオの事で悩んでいるのか?確かに人造魔導師として生み出されて、親もいない状況では同情もするけど……ん?そう言えば、何でエリオはハラオウン隊長に保護されたんだっけ?)

アスカはふと、エリオが保護された切っ掛けを聞いてなかった事を思い出す。

もしかしたら、それが悩んでいる原因なのかもしれないと考え……

(エリオがヴィヴィオに自分を重ね合わせていたら?境遇が同じとか……境遇?え?えぇ?)

「!!!」

危なく声を上げそうになるのを、何とか堪えるアスカ。

エリオとキャロは、お互いに話をしていてそれに気づいていない。

(まさか……でもそれなら……いや、しかし……)

アスカの頭の中を、ある考えがグルグルと駆けめぐる。

(だって、そうだとしてたらエリオは……)

そこから先は考えなかった。もしそうだとしても、それは本人の口から説明すべき事だろう。

(オレが問いただして聞くってのは、違うよな)

「少し疲れたろ?ヴィヴィオが起きてくるまで休憩だ。オレが残ってるから、二人は休んでこいよ」

「はい、お願いします」「すぐに戻ってきますから」

エリオとキャロが部屋から出て行く。

アスカはベッドそばのイスに座り、さっき思いついた事を考える。

(言えるわけないか……たぶん、エリオは怖がっているんだ。言った事で、オレ達の目が……エリオを見る目が変わる事を)

そう考えた時、アスカは自嘲的な笑みを浮かべた。

(都合のいい事を考えてんじゃねぇよ、アスカ。オレはあいつ等に全部話したか?話してねぇよな?自分が秘密を持ってて、エリオの秘密を聞く訳にはいかねぇだろうがよ!)

「ん……」

アスカが自分自身に腹を立てた時、ヴィヴィオが寝返りを打った。

「……」

アスカは毛布をかけ直し、ヴィヴィオを見る。

まだ、どこか不安げな顔だ。きっと、悩みを抱えているエリオも不安に違いないだろう。

「まあ、いい頃合いかな……」

アスカは一つの覚悟を決めた。それでエリオが動かなくてもいい。

まず、自分が動こうと。





時空管理局地上本部。

「査察の日程は決まったのか?」

レジアスは自室でオーリスに尋ねた。

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