第52話 クローディア姫救出作戦
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…」
「あっ、ジークだ。おーい、ジーク」
フィーはあのシロハヤブサを知っているらしくジークと呼ばれたシロハヤブサはフィーが呼ぶと嬉しそうに鳴いて彼女の腕に止まった。
「フィー、そのシロハヤブサは?」
「この子はジークっていうの、クローゼの友達だよ」
「ピューイ!」
クローゼさんの友達?よく分からないがかなり人に慣れたシロハヤブサなんだな、フィーの腕に大人しく止まっているし触っても逃げようとしない。
「殿下、ご無事で何よりです……本当に……本当に良かった……」
「ユリアさん……あなたも元気そうで何よりです」
「本当に申し訳ございませんでした。私が不甲斐ないばかりにこのような苦労をおかけして……出来ることなら至らぬ我が身をこの手で引き裂いてやりたかった……」
「そんなことを言わないでください。お互いこうして無事に再会できただけでも嬉しいです。助けに来てくれて本当にありがとうございました」
「殿下……」
ユリアさんはクローディア姫殿下……いやクローゼさんの前に膝まづいて無事だった事を知って安堵したのか泣いていた。そんな彼女を見てクローゼさんはお互いの無事を喜んでいた。
「えっと、感動の再会の最中に悪いんだけど、どうしてジークがここにいるの?」
「ふふっ、それはジークが殿下の護衛だからさ。ジーク!」
「ピュイ!」
エステルさんはジークの事を知っているらしくどうしてここにいるのかユリアさんに質問する、ユリアさんがジークの名前を呼ぶとジークはフィーの腕から離れて彼女の腕に止まった。
「ジークがクローゼの護衛?」
「ああ、ジークは殿下の護衛であり同時に親衛隊の伝令係でもあるんだ、君たちのホテルにも手紙を届けさせただろう?」
「あ、あれはジークだったのね」
前にエステルさん達が夜に出歩いていたのをフィーが見つけたが話を聞く限りユリアさんに呼ばれた二人はこっそり彼女と接触していたのだろう。
「そういえばリートさんとフィルさんにはご紹介が遅れてしまいましたね。ユリアさん、こちらの二人が例の件でお世話になった方達です」
「君たちが例の……はじめまして、私はユリア・シュバルツ、王国軍親衛隊の隊長を務めさせて頂いている者だ。君たちが殿下の力になってくださったと聞いていたので是非一度会ってお礼を言いたいと思っていた、本当にありがとう」
「いえ、俺はそんなに大したことはしていませんよ。どちらかと言えばフィルの方が力になっていたと思います」
「クローゼは友達だからね、力を貸すのは当然の事。だから気にしなくていいよ」
ユリアさんにお礼を言われたが俺はそこまで大した事はしていないんだよな、フィーの方がクローゼさんの力になっていたはずだ。
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