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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第52話 クローディア姫救出作戦
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悩んでいるみたいだったから心配していたんだけどその様子なら大丈夫そうだね」


 フィーは俺が思い悩んでいることを察して態々様子を見に来てくれたのか。


「心配をかけてしまったようだな、悪い」
「謝ることないよ、明日は西風の旅団で受ける大規模作戦並みにヤバそうだからね。わたしもリィンみたいに緊張してる」


 フィーも表情には若干の不安が映し出されていた。フィーは冷静な性格をしているが怖くない訳じゃない、寧ろ冷静だからこそ明日の作戦の難易度が分かってしまったのだろう。


「リィンも怖い?」
「ああ、怖いよ。こういう時はいつも死んでしまったらどうしようかって思ってしまうんだ」


 猟兵を続けて数年がたつが戦場に出るときはいつも怖くなってしまう。戦場とは少しの油断で死が待ち受けるような場所だ、こればかりは慣れることが出来ない。


「……大丈夫、リィンは死なせないよ」
「フィー?」
「わたしがリィンを守るから。リィンや他の皆もわたしが死なせない」


 俺達を死なせないというフィーの目はいつになく真剣なものだった。


「……頼もしくなったな、フィー」
「うん、わたしはこの時の為に強さを求めた。今がそれを発揮する時だと思うの」
「そうか、でも皆を意識しすぎて君が死んでしまったら意味が無いからな。それは意識しておいてくれよ」
「了解。でもそれはリィンにも言えることだからね」
「ああ、承知しているよ」


 フィーの問いに俺は頷いたが実際はそれを守れるか分からない、あの力を使えば俺は力に飲み込まれてしまうかもしれない。


「じゃあそろそろ交代の時間になりそうだし俺は行くよ、フィーもしっかり休んでいてくれよ」
「ん、了解」


 俺はフィーに手を振って談話室を後にしたがその時にはもう俺の中には不安などはなかった。


(ありがとう、フィー)



 俺は心の中でフィーにお礼を言って明日の作戦で必ず生き残ろうと強く決心した。
 


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