368部分:第二十七話 護るものその十一
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第二十七話 護るものその十一
「けれど何でなんだよ」
「何がよ」
「どうしたっていうのよ」
「何でそんなに突っかかるんだよ」
これが彼にはわからなかった。三人の目的を知らないから当然である。
「俺もあんた等と何の関係もないんだけれどな」
「カルシウム足りないんじゃないの?」
これが津島の見立てだった。
「牛乳飲んだら?あと小魚とかいいわよ」
「鰯は好きよ」
「私はジャコね」
「秋刀魚だって頭からだし」
三人共魚は好きだった。だからこう返す。
「カルシウムは充分よ」
「牛乳だって毎日飲んでるし」
「大きなお世話よ」
「だったらいいけれどね」
津島もこれといって関係のない相手にはあまり言わないのだった。
「まあね」
「とにかく椎名探すか?」
「そうよね、それじゃあ」
こう話す二人をよそにだ。三人はというとだ。
それぞれの下駄箱を開けて靴を履き替えてそれでだった。むっつりとした様子で学校を出るのだった。そしてその時にだった。
二人の携帯がだ。急に鳴った。
「おっ?」
「あれっ?」
それに出るとだった。椎名からのメールだった。
「えっ、場所変更!?」
「屋上!?」
メールにそう書いてあった。実に簡潔な言葉でだ。
「今急にかよ」
「何でかしら」
二人にはどうしてかという理由もわからない。しかしだった。
とにかくメールではそう言っていた。それではだった。
「行くか」
「そうね」
二人で言い合う。それでだった。
二人は屋上に向かう。そこには誰もいなくなった。そしてであった。
その下駄履き場がある場所をだ。椎名はその屋上から見ていたのだった。そのうえで一人でこう呟くのであった。
「これでよし」
彼女はまた月美を護ったのだった。この時もだった。
とにかく月美はいつも椎名が陰に陽に護っている。それで星華達は何もできなかった。
このことにだ。最初に切れたのは州脇だった。
「何だってのよ」
「そうよね」
「何よ、あのチビ」
野上と橋口も州脇のその言葉に同意して頷く。
「いつもクラスとかあいつの傍にいたりして」
「私達何もできないじゃない」
「絶対に離れないしね。いるしね」
州脇も目を怒らせて言う。
「教室にもいつもいるし」
「何もできないじゃない」
「折角星華ちゃんにって思ってるのに」
「それじゃあだけれどね」
ここで言ったのはその星華だった。彼女も三人と同じ顔になっている。
そのうえでだ。こう言うのだった。
「いい考えがあるけれど」
「うん、それで」
「何するの?」
「いい考えって」
「呼び出そう、あいつ」
これが最初に言った言葉だった。
「ここはね。あいつをね」
「あいつ?」
「あいつって?」
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