別伝 キルヒアイスとアンネローゼの最後 後編
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他に攻撃した者が居るということなのか?
「そうよ、判ったかもう一人の攻撃者はシェーンヴェルトの配下じゃ!」
まさかという顔をするキルヒアイス。
アンネローゼは最早そうなのかと、あきらめ顔である。
「まさかラインハルト様がそんな事をするわけがない!」
「いやしたのじゃ。奴らは偵察艦だけでなく、巡航艦を後方から準備し、
ミュラーがブラウンシュヴァイクの攻撃を止めたときに、
隙を突いて核攻撃を行ったのじゃ。あの映像は自作自演じゃ!!」
「そんな、そんな」
「証拠もある核攻撃を行ったのは、巡航艦アヴァロンじゃ」
「ミュラーがヴェスターランドを守る為に広域衛星で監視させていて偶然撮れた映像じゃ」
其処には偵察艦の影から核ミサイル発射する、
アヴァロンの姿が映っており、
その核がヴェスターランドへ次々に着弾するさまが撮されていた。
映像を見せられた。キルヒアイスが力なくつぶやいた。
「ラインハルト様の艦隊の艦です」
どうしてラインハルト様は悪魔の所業をするようになったのか、
俺は何を見てきたんだと、キルヒアイスは嗚咽を始めた。
それを優しく抱きしめるアンネローゼ。
「ジーク、私は、もうあの者を弟とは思いません!」
「アンネローゼ様・・・・」
「ジーク、貴方もあんな男を様付けなど止めなさい!」
「私の大事な人はジークだけになってしましました」
涙ぐむアンネローゼはジークをじっと抱きしめる。
「2人とも、シェーンヴェルトが変わったのは、恐らくオーベルシュタインのせいぞ」
「オーベルシュタイン」
「そうじゃ、きゃつが元帥府に入府して以来、
シェーンヴェルトの行動が臣民を思うモノから覇道へと変わっていった。
シェーンヴェルトはオーベルシュタインの負の力に飲み込まれたのじゃろう」
「ラインハルトさ。あっ、ラインハルトが飲み込まれた」
「そうじゃ、オーベルシュタイン、
きゃつは、ゴールデンバウム王朝五世紀の怨嗟や怨念が固まりし化け物よ。
その化け物にシェーンヴェルトは飲み込まれたのじゃ、
シェーンヴェルト自身の野望の為に」
キルヒアイスは確かにオーベルシュタインが来てからのラインハルトの変わり様を思い出していた。
アンネローゼも考えていたのであろう。
暫くして。
「所でお主等の処遇じゃが、
謀反人ラインハルト・フォン・シェーンヴェルトの一族と共謀謀議者じゃから、
アンネローゼ・フォン・グリューネワルト伯爵夫人は毒酒を呷って自害。
ジークフリート・フォン・キルヒアイス家族は銃殺刑。
となっておる、つまり既にお主等は表向き死人なのだ」
うなだれる2人。
「しかし、父上のこともある。そしてキルヒアイスは心優しき人じゃ、
お主等に新たな姓と名
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