別伝 キルヒアイスとアンネローゼの最後 後編
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アイス。地獄《ヘレ》」
キルヒアイスは審判を聞き、自分の事よりアンネローゼ様がヴァルハラへ向かえるようにと祈っていた。
アンネローゼはジークが地獄に堕ちるなら自分も一緒について行こうと心に決めたのだ。
「アンネローゼ・フォン・グリューネワルト。地獄《ヘレ》」
「そんな馬鹿な!アンネローゼ様が地獄へ堕ちるはず無い!!」
「ジーク、良いのです、私だけがヴァルハラへ行くわけには行かないのです。
貴方が居ない世界などどうでも良いことなのです。一緒に地獄へ堕ちましょう」
「アンネローゼ様」
「ジーク」
抱き合う2人。
「フフフ、アーハハハ」
笑い出すヘル。
笑い声が気になる2人。
「良い姿を見せて貰った。2人の愛情、しかと確かめさせて貰ったぞ」
次第に何処かで聞いた声だと考え始めた。
真面目顔のアルヴィトが苦笑を始める。
「殿下、そろそろ宜しいのではありませんか?
この鎧、凄く恥ずかしいです」
「ズザンナ、その姿凄く似合ってるんだけどね、
その姿流石凛々しいね、父親《オフレッサー》譲りだね。
その姿ネットに流せばファンが山盛りになるよ」
ヘルとアルヴィトの掛け合いを聞きながら、
キルヒアイスとアンネローゼは呆然としている。
「アンネローゼ、キルヒアイス、妾じゃ、テレーゼじゃ」
フードとマントを脱いだ姿は間違えなく、
銀河帝国摂政宮テレーゼ皇女であった。
絶句するアンネローゼとキルヒアイス。
「すまぬの、お主等の心意気を見たかったのでな、一芝居うったのじゃ」
「心意気?」
やはりアンネローゼが先に意識を現世へ呼び戻した。
「そうよ、本来であればシェーンヴェルトの罪科で4人共々死罪が相当じゃ、
だがの、お主等4人は実質的には被害者でもある。
シェーンヴェルトとオーベルシュタインの陰謀の被害者とも言えるのだ」
キルヒアイスは4人と言う言葉にすっかり両親のことを忘れていた事を思い出した。
「父さんと母さんは?」
「無事じゃ、生きておる」
両親がアンネローゼ様と共に生きている事に喜び、騙された怒りもどこかへ行ってしまった。
「ジーク良かった」
「アンネローゼ様」
両親が無事と聞き安堵する2人。
「それにじゃ、アンネローゼを連れ去ったのは、コルヴィッツじゃが、
その一端を作ったのは、父上でもある。
父上も死の寸前までアンネローゼに苦しみを与えてしまったと悔やんでおられた」
「陛下がその様なお言葉を」
アンネローゼが瞠目しながら涙ぐむ。
「そこで父上は何があってもアンネローゼを助けよと仰ったのじゃ、
思えば今日有ることを予測していたのかもしれんな」
テレーゼがしみじみと話す。
実際はそう仕込んでいたからなのだが。
それを聞き、アン
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