第59話
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の経緯はエレボニア人としては複雑だけど、大国へと成りあがり、更には2度もエレボニアを降したメンフィル帝国と盟を結んだのだからこれからは、エレボニアとクロスベルもお互いに対等の関係になるのだと思っていた。でも――――人の誇りや国同士の関係と言うものはそんな単純なものじゃないんだよな。君たちが味わっている無力さと比べたら僕の悩みなんて、なんてちっぽけなんだろう。――――そんな風に思ったらとても君を放っておけなかった。」
「…………………」
「……わたしは、ユウナさんが何故そこまで落ち込むのかわかりません。――――故郷などはありませんし、生物学的な親からも産まれていません。そもそも必要なく感情が動くように”造られて”はいないと思うので……」
「なっ……!?」
「………ぇ……………」
「………編入時に口にしたアルティナの話を聞いて”貴女が何者なのか”は薄々気づいてはいたけど………」
クルトが話し終えると次にアルティナが自身の事について話し始め、アルティナの話を聞いたクルトとユウナが驚いている中、ゲルドは辛そうな表情でアルティナを見つめていた。
「でも昨夜―――ユウナさんが叫んでいるのを見て……なんだか胸がモヤモヤしました。それで教官達に『放っておいていいのか?』と言われて……わたしがここに残っている理由はそのくらいです。」
「…………………」
「……アル………」
「………ここにいるみんなも知っているでしょうけど、私は”予知能力”――――”未来を視る”事ができるわ。だから、昨夜ユウナが”辛い現実を知って、今の状況になる未来”もユウナが執行者達に問い詰める少し前に”視えた”の。……私の”予知能力”はあくまで”可能性”であって、”回避する事もできる”のに、結局ユウナを止められず、ユウナに辛い思いをさせてしまった………だから私はその償いをする為にも……そしてこの世界に来てようやくできた”友達”に立ち上がって欲しいという思いもあるから、ここにいるわ。」
アルティナが話し終えるとゲルドは辛そうな表情で事情を説明した後決意の表情でユウナを見つめ
「そうか……だから君はあの時ユウナを止めようと……」
「未来が見えすぎる事は決して良い事ばかりではないのですね………」
「………ゲルド………あたしこそ……そんな大層な理由じゃないよ……本当はわかってるんだ………どうしようもない現実があっても……歯を食いしばって頑張るしかないんだって……あたしのは……ただの”我儘”だよ………」
ゲルドの事情を知ったクルトとアルティナが辛そうな表情でゲルドを見つめている中仲間達が自分の為に残っているそれぞれの事情を知ったユウナは自分の本音を口にし始めた――――――
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