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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第59話
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ケンの問いかけに仲間達と共に一瞬黙り込んだリィンは困った表情をし、マキアスは咳ばらいをし、アリサは優し気な口調で訊ねた。

「えとね、えとね!おれいが言いたいのー!ナナたちのイノチのオンジンだからー。」

「え………」

「命の……恩人ですか?」

「うん、1年半前……だっけ?ろくじゅうしとトクムシエンカが協力して、ダイトーリョウ達からクロスベルをダッカンしているとき、オレたちを助けてくれたんだぜ!」

「町を歩いていたおっきな人形達が、ナナ達を襲おうとした時にぴゅーんときて、あっという間に人形達を倒してナナ達を助けてくれたのー♪ユウナおねえちゃんもいっしょだったんだよー!」

ケンとナナがかつての出来事をリィン達に説明している中、演習地では[組、\組がそれぞれ演習をしている中、アルティナ達―――Z組はユウナの看病をしていた。



〜デアフリンガー号〜



「……ユウナさん、せめて朝食くらいは。サンディさん自慢のミルク粥だそうです。」

「何か食べないと、倒れたり病気になってケン達を心配させてしまうかもしれないわよ……?」

「…………………」

ミルク粥を乗せたお盆を持っているアルティナと共にゲルドは心配そうな様子でユウナに声をかけたが、ユウナはアルティナ達に背を向けて寝転がったまま何も答えなかった。

「ルイゼやゼシカも心配してたよ。いや、彼女達だけじゃない。第Uの生徒全員が心配している。――――もちろん僕達も。」

「……どうして………3人ともどうして教官達についていかなかったのよ……行きたかったんでしょ?」

クルトが二人に続くようにユウナに声をかけるとユウナはクルト達に背を向けたまま訊ねた。

「……そりゃあ、また置いてけぼりだからね。ただ、君を置いて行くのは”違う”と思ったんだ。」

「…………………」

「僕は……もう知ってるだろうが本当は”本校”に行くはずだった。長きに渡り、皇族を護り続けたヴァンダール家の一員として。セドリック殿下の護衛を兼ねて共に入学することを疑わなかった。……だが去年の秋、政府の決定でヴァンダール家の役目は解かれた。『皇族の護衛という栄誉を一貴族に独占させるべきではない』そして兄は辺境に飛ばされ、父や叔父たちも軍務に封じられ……僕自身も殿下の護衛を禁じられた。………ただの自暴(やけ)だったんだ。本校ではなく分校を選んだのは。」

「…………………」

「……クルトさん………」

「クルト……」

クルトの分校に入学した理由を知ったユウナが黙り込んでいる中アルティナとゲルドは静かな表情で見守っていた。



「―――正直、クロスベルについては伝聞程度しか知らなかった。”六銃士”達による”クロスベル帝国”の建国
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