ティオスと天海
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アクノロギアの大地を揺るがす一撃を片手で・・・しかも笑みを浮かべながら受け止めた天海。その男が何者なのかわからないアクノロギアは、目を見開きキョトンとしていた。
ガンッ
無防備を晒していたアクノロギア。彼の額に目掛けて頭突きを食らわせる天海。
「ぐっ・・・」
あまりの衝撃に額から鮮血が飛び散った。バランスを崩し後方へとよろけるアクノロギア。天海はそんな彼にさらに飛び蹴りをかます。
「こいつ・・・魔力を感じんぞ?」
アクノロギアの困惑の理由。それは天海が魔力を一切所持していないことにあった。この世界において魔力は絶対的な力。それを駆使する魔導士たちは一目置かれる存在なのだが、それはアクノロギアには通じない。
なぜなら彼は全ての魔法を食することができるのだから。しかし・・・
「なんなんだ!?貴様は!!」
絶叫と共に放たれたブレス。避ければ後ろにいるウェンディはもちろん巻き込まれる。味方ではない天海からすれば彼女がどうなろうと関係ないが・・・
「ほう、これはこれは・・・」
彼の選択に回避するの文字はなかった。
片手を前に出しアクノロギアのブレスを受け止めると、そのまま捨て去るかのように横に払い、難なく攻撃を回避した。
「バカな・・・」
数多のドラゴンを滅ぼし、世界の頂点とさえ言われる竜王に登り詰めたアクノロギア。そんな自身に一切の魔力も持たないこの男が互角以上の戦いをしていることに、アクノロギアは目を白黒させるしかできなかった。
「天海、生き返ったんだね」
圧倒的実力を見せつける天海。そんな彼の姿に笑いかけるティオス。だが、天海はそれに答えることなく、呆然と立ち尽くすアクノロギアの方へと向かっていく。
「ティオス、約束は覚えているか?」
「あぁ、もちろんだよ」
すれ違い様に言葉を交わす二人。彼らの次に発した言葉に、人々は驚愕した。
「「お前は俺が殺してやる、必ずな」」
今から何年も前の話・・・とある国ではある噂が立っていた。
「おい、聞いたか?」
「あぁ、青藍家のことだろ?」
誰一人として魔力を持つ人間のいない世界、エドラス。それを一つに統一しようとしているエドラス王国の兵隊たちは、ある一族についての会話で持ちきりだった。
「あそこに子供が生まれたらしいな」
「あぁ、しかも男児だと聞いている」
青藍家・・・エドラスでは名の知れた一族のこと。彼らがなぜ有名なのか、それはある理由があった。
「奴らがいては、エドラスの統一は夢のまた夢だ」
何年もかけて魔力を独り占めするために世界を統一しようとしているエドラス王、ファウスト。そんな彼らが手を焼
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