別伝 キルヒアイスとアンネローゼの最後 中編
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イスよ、アンネローゼの罪は弟が簒奪未遂と大逆未遂と不敬罪と言う事じゃ」
「アンネローゼ様は関係有りません!」
「そうはいかんのじゃ、連座があるのでな。卿の両親も連座じゃ」
「そんなアンネローゼ様、父さん、母さん・・・・」
「ただし言うておくぞ、卿が死んでも罪は変わらぬ。いや逆に残った者が責任を更に追及されよう。
つまりグリューネワルト伯爵夫人が簒奪と大逆を唆したとな」
「アンネローゼ様はそんな事はしない!」
「真実などは関係ないのじゃ、
卿が生きて法廷に立たなければグリューネワルト伯爵夫人が立つだけなのじゃ」
うなだれるキルヒアイス。
こうなれば生きて自分が罪を全て被り死罪と成ってもアンネローゼを守ろうと心に決めたのである。
「私が法廷で罪を認めればアンネローゼ様を助けて頂けるのですか?」
「良かろう、キルイアイスが罪を認めればアンネローゼは助けて遣わそう」
「約束です」
「判った」
キルヒアイスは自らの命をアンネローゼに捧げるのである。
同じ頃ノイエ・サンスーシ、グリューネワルト伯爵邸ではアンネローゼに対して自害等をしないように監視がつき軟禁されていた。
又キルイアイスの両親も自宅に軟禁されていた。
帝国暦488年11月20日
総旗艦ヴェルザンディ以下艦隊がオーディンへ帰還した。
そのままキルヒアイスは誰とも面会も許されずに、
憲兵隊で取り調べを受けラインハルトとの共同謀議を認めた上で自分が主犯であるとアンネローゼを守る為に独白したのである。
弁護人無し反論無しの裁判で出た判決は、簒奪犯、大逆犯、不敬罪で死刑が宣告された。
キルヒアイスは淡々と判決を受け入れ、心の中でアンネローゼ様は救われると安堵した。
そして父さんと母さんに迷惑をかけてしまった事を詫びていた。
帝国暦488年12月24日
キルヒアイスの銃殺は嫌みたらしく、
グリューネワルト伯爵邸の至近で行われる事になった。
アンネローゼは今も幽閉中である。
テレーゼも銃殺を見届けに来ていた。
キルヒアイスの両親も引っ立てられて来た。
キルヒアイスは涙ながらに両親に詫びた。
「父さん母さんゴメン」
それしか言えなかった。
両親も判ったと言うしか無い。
まず両親が壁に立たされ、銃殺隊により銃殺された。
「父さんー母さんー!!」
銃殺され崩れ落ちる両親。
それを見て泣くキルヒアイス。
テレーゼはつまらなそうに扇を弄っている。
それを見てキルヒアイスは怒りを覚える。
その時である、後方のグリューネワルト伯爵邸から黒煙が上がり始めた。
騒ぎ出す、宮中警備隊。
キルヒアイスもアンネローゼの事を考え蒼くなる。
1人テレーゼだけが冷静にその黒煙を見ていた。
暫くしてグ
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