第20話。変人とホムンクルス。
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ると少年はバットを力強く引っ張り、体を引き寄せる。
その力は強く、逃げることができない。
苦し紛れに右腕を少年に向けるが、少年は両腕で持っていたバットから左腕を離し、その腕で払いのける。
そしてがら空きになった顎に向かってその左手で掌底を放つ。
「ぐぁあ!!」
浮き上がった所を左手で顎を掴み、地面に叩きつけられる。
「知ってるかい?ダイヤモンドはのぉ?」
上を見ると、月をバックにバットを振り上げている少年が見えた。
そして次の瞬間にそれが、己の右腕に振り下ろされる。
「ガァっ!!」
衝撃とともに、かつて感じたことのない感覚を抱く。これが・・痛みなのか!?
右腕を見ると粉々にされ、刀身が取れていた。
「靭性という割れや欠けに対する抵抗力がそこまで高くないんや。」
そう言って再び振りあげられるバット。
「グッ!!」
次は左腕、またもや粉々になる。
「ダイヤモンドってキズとかには強いって意味の硬度はあるんやけど、衝撃に強いって言う意味の固さはないんよ。」
また振りあげられるバット。
逃げなくてはと体を動かそうとしても、痛みが体を動かすことを拒否する。
そして抵抗なく粉々にされる右足。
「まぁつまり、こうやって叩きつけられると粉々になるっちゅうことや。」
最後に粉砕される左足。
「ふぅ。これで動かなくなるわ。再生せーへんって聞いとったからの。」
動かないもなにも、両腕を粉砕された時点で動けない。始めて感じる、痛みと恐怖に怯えて。
「さぁて、あとは魔術師の方や・・・・な」
魔術師の方に目を向ける晋吾。しかし魔術師に取っては堪ったものではない。
バットを振り下ろし、キイキイと(そのように見える)四肢を粉砕していく少年。
次は私も・・と考えた時点で魔術師はブラックアウトした。
「・・・・一件落着やな。」
「マスターは?」
「ああ。ションベンもらしてアワ吹いて気絶してるわ。」
マスターは恐怖にやられたか。まぁ仕方がない。
「さて、とりあえず舞弥姉ちゃんに来てもらうかの。あっ、しばらくは自分、寝てもらうから勘忍のぉ?」
相手が悪すぎたと考えるべきだな。
ホムンクルスと魔術師は一足先に舞弥姉ちゃんがドイツに届けた。魔術師の方は爺ちゃんが処理をするとのこと。
処理ねぇ。やっぱり首ちょんぱなのかしら?魔術師怖いわ〜。死んだら何もできないじゃん。
あっ、もう何もするなと言いたいんですね。やっぱり魔術師怖いわ―。
うんで飛行機を一本遅らせて、ドイツに到着。もうこのミュンヘ
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