04.猫達DEデスゲーム。
第18回 フラン、終幕
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さて、ネタばらしをしよう。
まず、私はこのゲームの運営側の参加者だ。因みに、一条君もね。だから、プレイヤーは8人なのだ。
次にこのゲームを行った目的。それは、琴葉君と葉月君の仲を戻せれば良いね!という事だ。
2人は立場上、他に比べて殺されにくい。だが、それは部下が強ければの話だ。白猫も黒猫も、最近殉職者が増えていて、有望な人材も減ってきている。守る者が居なくなってきているのだ。
確かに2人は強い。能力も、他の能力者に比べて10倍程巧みに操っている。でも「人間」である以上、限界というものは存在し続けるのだ。
限界を超えた状態が続けば、2人の体は壊れ、やがて死ぬ。2人の場合、その強力すぎる能力に飲み込まれてしまう可能性が1番大きいだろう。
2人が死ぬ前に、幸せを与える。それが目的だった。
本当に大切な物の価値は、それを失ったとき、初めて気付く物だ。
兄を憎んだ琴葉君が、兄を喪い、初めてその大切さに気付いたように。
妹を嫌った葉月君が、妹を喪い、初めてその大切さに気付いたように。
悲しい兄妹はお互いを憎み合い、嫌ったまま別の道を進む事になってしまった。そして、そのまま敵として憎み合う事になった。一度分かれた道は、再び交差する事無く伸びてゆく。
その道を再び交差させるために、このゲームを行ったのだ。
既にゲームマスターが「この世界では」死んだプレイヤーに、このゲームの目的を説明しているはず。
私の役目は、2人の相手となる事だ。
そろそろ来るかな。
「………ッ!!」
背後から殺気。直ぐに前に飛んで、攻撃を回避する。如何やら、琴葉君が上から蹴りを仕掛けていたらしい。となると、先程の殺気は葉月君のもの。確かに、数メートル程離れたところに葉月君が居た。琴葉君は、葉月君の作った踏み台で宙に出て、そして攻撃してきたのだろう。
「へぇ。矢っ張り、仲は良いじゃないか」
「………ヤァッ!!」
血の付いた短剣が髪を引き千切る。視界の端で、自分の髪が散る。
「葉月!」
「命令すんな………っての!!」
空中に置くように、琴葉君が短剣から手を離す。そして体を落とすと、その肩に葉月君が手を置く。そして短剣を掴み、私に向かって振る。
それは1秒にも満たない、一瞬。
「らぁぁぁあああ!!」
葉月君は見事に、私の喉笛を掻き切った。
赤い鮮血が飛び散る。
『ゲームは終了しました。ゲームは終了しました。勝者、プレイヤー2・黒華琴葉、プレイヤー3・黒華葉月。ゲーム時間、72分。プレイヤーの皆様、お疲れ様でした』
意識が遠退く。
何時か現実でも、葉月君にこうやって殺されることがあるのでは無いか。
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