04.猫達DEデスゲーム。
第16回 葉月、妹
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「ったく、遅えんだよ! いちいちいちいちノロマな野郎だな!!」
「動きが鈍いんだよ! さっきのキレは如何為たんだよ!!」
「テメェ、役に立つ気あんのか? あんだったらもっとさっさと動いて働け」
嗚呼、イライラする。
絶対こうなると思ってた。
「………肋骨とか脚の骨とか折れてるの」
「だからって出来ねぇとは言わせねぇぞ? テメェなら出来るだろ?」
「………うん」
さっきまでの勢いはどこ行ったんだよ。
これじゃあ昔と全く変わんねぇ。
「これだからテメェは『役立たず』なんだ」
バキッと言う音と共に、ドアが破壊される。
拳が、顔のすれすれの位置を通過し、背後に抜けている。
「なんだ。やりゃ出来るじゃねぇか」
「………五月蝿い。馬鹿兄」
不機嫌そうな表情を浮かべ、帽子を深く被り直す琴葉。
「なぁ、昔みたいに『葉月にぃ』って呼べよ」
今、俺の部下がこれを見たらどう言う顔をするだろう。楽しそうだ。
珍しく上機嫌だったが、次の瞬間、琴葉に肩を掴まれ、壁に押し付けられる。小さな体に、どこにこんな力があるのだろうと疑いたくなるほどの力で押され、動くことが出来ない。
「それ以上調子に乗んじゃねぇ。打っ殺すぞ」
全く、クソムカつく妹だぜ。
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「……………………………んー」
「んだよ。言いたいことがあんならさっさと言え」
ここ5分くらい、ずっとこの繰り返しだ。そろそろ殴ろうか。
「……セイッ!」
すると、琴葉は何も無いところに短剣を振る。
何やってんだ此奴。遂に「中二病」とか言うヤツになったか?
暫くすると地下1階の床から封筒が透けて出てくる。
"プレイヤー2により、プレイヤー9が殺害されました。"
「あ、若しかして気付かなかったの?」
「はぁっ!?」
「尾行にも気付かないとか、ダサすぎ」
「骨折ったくらいで動きが鈍くなる方がダセぇよ!」
「じゃあお前で試してやんよ」
「んだとあァ!?」
「掴むな! 痛い!!」
―――――ギャーギャーギャー
「馬鹿葉月!!」
「弱虫琴葉!!」
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