第5章:幽世と魔導師
第168話「その身が至るは―――」
[7/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
―――“扇技・神速-真髄-”
―――“斧技・瞬歩-真髄-”
―――“剛力神輿-真髄-”
即座に守護者は自身に身体強化を重ね掛けする。
そして、二刀を構えて迎え撃つ。
霊術を放っても大して通用しないのなら、霊術は最低限で構わないと判断したのだ。
「はぁああっ!!」
「ッ……!」
パパパパパパパンッ!!
振るわれる二刀が、悉く優輝の手によって逸らされる。
逸らされた刀からは空気を切り裂く斬撃が飛び、音を鳴らす。
「(袈裟と薙ぎ、フェイントと共に切り上げ、振り降しに逆袈裟)」
優輝の思考は澄み渡り、守護者が振るう刀の腹を的確に拳で捉える。
刀が折れる程の衝撃はない。飽くまで軌道を逸らすだけに留まり、だからこそ守護者の攻撃が優輝を捉える事なく空ぶる。
―――“風車-真髄-”
「無駄だ」
「シッ!」
霊術が放たれる。
優輝は葵の力でレイピアを作り出し、振るう。
一撃目で風の刃と同じ斬撃を放ち、返す刀でレイピアを飛ばす。
レイピアの霊力を爆発させ、使い捨てる事で霊術を相殺する。
その隙に放たれる守護者の追撃だが、当然のように受け流される。
「っつぅ……!」
「ふっ……!」
受け流しが続き、ふとした瞬間に優輝の蹴りが繰り出される。
それを掠らせるに留める守護者だが、その際に距離を取り、隙を晒してしまう。
「っ……!」
そこへ追撃の掌底を当てようとする優輝。
守護者は障壁を張ってやり過ごそうとして……。
「転移……!」
優輝の転移魔法によって後ろに回り込まれる。
だが、守護者もそれに即座に対応する。
転移魔法を使用したと認識したのと同時に、刀を後ろに振るう。
ギィイン!
「ッ……!?」
その一撃によって掌底は打ち消される。
それでも刀の一撃を受け流され……再び転移魔法で回り込まれる。
「くっ……!」
―――“風車-真髄-”
「遅い」
「っつぁっ!?」
周囲に風の刃を繰り出す事で妨害を試みる守護者。
だが、優輝はいつの間にか上空で剣を創っていたのか、降り注ぐ剣によって術式ごとズタズタにされて風の刃は相殺される。
同時に、守護者へと障壁を張る間もなく掌底が叩き込まれた。
「……浅いか」
“タンッ”と、まるで軽く地面を蹴るかのように、先ほどの剣を足場に跳ぶ。
本来なら大して加速はしないはずだが、今の状態の優輝はそれでも爆発的に加速する。
「ッ……!」
―――“戦技・隠れ身-真髄-”
「……隠れたか」
守護者もまた、先ほどの一撃を無防備に食らっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ