第5章:幽世と魔導師
第168話「その身が至るは―――」
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を詰める。
それに守護者は反応して見せる。
目は適格に優輝の姿を捉え、それに合わせて刀も軌道を描く。
「ッ!」
だが、優輝はさらに加速する。
階段を駆け上がるかのように加速し、刀の間合いに入った瞬間に方向転換をする。
振るわれた刀に手を添え、体に掛かる負荷を受け流しと同時に軽減する。
「ッ……!?」
―――“扇技・護法障壁-真髄-”
それは、刹那の如き判断だった。
後ろに回り込まれたと悟った守護者は背後に障壁を張る。
……そう。守護者は障壁を張るしか行動が起こせなかった程、その動きは水が流れるかのように滑らかで一瞬だったのだ。
ギギギギギギギィイン!!
「くっ……!」
そして放たれる衝撃波の連打。
障壁に直接触れる事なく拳を振るう事で、衝撃波の連打を繰り出していた。
それに対し対策を行わない守護者ではない。
すぐさま矢を構え、射ようとして……。
ドンッ!!
「ッッ……!」
障壁越しに届いた衝撃波により、弓が弾かれる。
優輝は、ただ障壁を破ろうとしていただけでなく、障壁の術式を読み、それを徹せるように術式を練っていたのだ。
「はっ!」
「ッ!」
弓が弾かれた事で障壁の術式が乱れ、障壁が破られる。
同時に放たれる掌底に対し、守護者も掌底で反撃する。
しかし、それがぶつかり合う瞬間に優輝は手を横へ振り抜き、守護者の攻撃を弾く。
即座に守護者は刀を取り出し、下からの切り上げを放つ。
それも優輝は受け流す。だが、その際に後ろへと後退させられる。
「ふっ!」
「……」
間髪入れずに叩き込まれるのは連続して放たれる矢。
質より量ではあるその攻撃だが、一発一発が十分な威力を持つ。
だが、まるで球状のバリアに弾かれるように、矢は優輝の素手の間合いに入った瞬間に逸れていく。
「ッッ……!」
―――“火焔旋風-真髄-”
―――“氷血旋風-真髄-”
―――“極鎌鼬-真髄-”
それを時間稼ぎとし、守護者は次々と術を放つ。
実体を持たない術による攻撃。素手である優輝相手には有利ではある。
「ッ!」
―――“穿撃”
……だが、それを優輝は物ともしない。
「近接戦ではなく術による遠距離攻撃……ああ、確かに有効だ。今の僕にも通じやすくはあるだろう。……だけど、足りないな」
「ッ!?」
放たれた拳の衝撃波により、術に穴が出来る。
そこへ、加速魔法を使う事で突入。術を突破する。
同時に跳躍を重ね、一気に守護者へと間合いを詰める。
「なら……!」
―――“速鳥-真髄-”
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ