第5章:幽世と魔導師
第168話「その身が至るは―――」
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に距離を詰める事は止め、少しの軌道の誘導と、自らの回避だけで全てを紙一重で躱す。……さながら、最適化された動きのように。
「………その動き」
「……」
一度攻撃が止む。
お互いにある程度距離が離れた状態で、守護者が口を開いた。
「まさに“武”の極み……だね」
「……案外、流暢に喋れるんだな。力が形を成しているだけなのに」
「人格は本物を模倣しているよ。というより、私は“大門の守護者”としての側面なだけ。私も、本物も、どちらも“有城とこよ”だよ」
本来ならば守護者の方が無感情に近い口調だった。
しかし、今では優輝の方が感情が感じられない程だった。
「それが導王流の極意……」
「……ああ。これが―――」
―――導王流奥義之極“極導神域”
「―――と、いう訳だ。……さっきまでと同じように行くと思うな」
「なるほど……ねっ!!」
―――“紅焔-真髄-”
準備していたのか、守護者は即座に術を放つ。
その炎の霊術に対し、優輝も動く。
「(纏い、固定。滑り、受け流す)」
体に導標の神力を纏い、一種の鎧とする。
そして、実体がないはずの炎の表面を滑るように受け流す。
ギィイイイン!!
「っ、はぁああっ!!」
―――“風車-真髄-”
―――“呪黒剣-真髄-”
そのまま守護者へと突貫。貫手が放たれる。
その手を切るように守護者も刀を振るうが、間合いに入る前に手が引っ込められる。
後に残るのはその際に生じた衝撃波のみ。
顔を傾ける事で守護者はそれを躱し、二刀を振るうと同時に霊術も仕掛ける。
パァアアンッ!
「ッ……!?術式干渉……!」
「研鑽し、経験を積み、自己流で昇華させた。そのどれもが上手く練られた術式だ。故に、その術式の効果は強い。……だが―――」
風の刃、黒い剣はまるで優輝から逸れるように外れる。
それどころか、優輝は受け流しに使った手にその霊術の霊力を纏わせ……。
「―――もう、見慣れた」
―――“風車-反-”
―――“呪黒剣-反-”
同じ霊術を返した。
「ッッ……!」
「させない」
さらに、いくつかの剣を創造。
それを、地面のある箇所に突き刺す。
「一度見た術式だ。見破れない訳がない」
「くっ……!」
守護者が用意していた術式は、“偽・焦熱地獄”。
準備がかかるため、会話と時間稼ぎを行ったが、優輝はあっさりと見破った。
「……ふっ……!」
―――導王流弐ノ型“瞬連”
空を蹴る。蹴り抜き、一気に距離
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