第5章:幽世と魔導師
第168話「その身が至るは―――」
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
霊術を破った瞬間に眼前に迫る矢。
そして、背後へと一瞬にして移動する気配。
それを、優輝は一瞬で見極める。
「(眼前、背後。挟み撃ちか)」
飽くまでも無感情に、行動を起こす。
まるで水が流れ出すかのように滑らかに動いた体は矢を紙一重で躱す。
「ッ……!」
「甘い」
「くっ!」
さらに、背後からの斧の一撃も軽く受け流し、追撃の刀も逸らした。
そして、放たれる反撃の一撃。
それに対し、守護者は霊力を放出する事で弾き飛ばす。
「……」
吹き飛ばされた優輝は、霊力の足場を作り、それを何度も介する事で衝撃を殺し、地面に着地する。
「ッ!!」
そこへ槍を持って突貫してくる守護者。
しかし、やはりその一撃も弧を描くように力の軌道を逸らされ、受け流される。
「ふっ……!」
「……」
だが、守護者も対策を練っていない訳ではない。
手に、二刀が握られる。
その内一刀は、悪路王が封印していたものだが、守護者と優輝の瘴気と極光のぶつかり合いの余波を防ぐ際に力をほとんど使い果たしたため、封印は解けていた。
「はぁぁあああっ!!!」
「ッ……!」
二刀が振るわれる。その度に、優輝の手がぶれるように動く。
先ほどまでと違い、守護者の手数は倍になった。
そして、力が形を成しているだけあって、口数が少なかったはずの守護者から雄叫びが発せられる。
「っ、ぁああっ!」
「ふっ……!」
……実力は拮抗していた。
守護者は連戦に次ぐ連戦によって疲弊しており、優輝も“極意”に目覚めているとはいえ、魔力はほぼ全て使い果たし、体もボロボロだった。
故に、実力は拮抗しているのだ。
キキィイイン!!
「ッ……!」
―――“弓技・矢の雨-真髄-”
いくつかの斬撃が逸らされ、霊術も背後へと受け流される。
すると、すぐさま守護者は距離を取り、矢の雨を降らす。
「シッ」
「ッ!」
ギィイン!!
「くっ……!」
だが、優輝は当たりそうになる矢のみを逸らし、まるで雨の中をただ急いで帰るかの様子で守護者へと接近する。全くもって矢を物ともしていなかった。
そして、突き出された拳を障壁で防ぎ、反撃に刀を振るう。
しかし、それはあっさりと逸らされ、またもや反撃に拳が振るわれる。
守護者はそれを身を捻って躱す。
「っぁ!」
「………」
―――“弓技・螺旋-真髄-”
―――“弓技・閃矢-真髄-”
―――“弓技・瞬矢-真髄-”
守護者が衝撃波を放った間合いを取り、距離を取りながら矢を放つ。
さすがのその鋭さ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ