暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第168話「その身が至るは―――」
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の流れが、時間が進むかのように当たり前に見えた。





「……嘘、あれって……」

 その様子を、ようやく現場に辿り着いた緋雪が見ていた。
 相変わらず体には傷が残り、常人ならば戦闘は不可能な傷を負っていた。
 それでも戦おうとして、優輝が戦闘しているのを見つけたのだ。

「まさか、あれが……?」

 緋雪の脳裏に過るのは、在りし日の記憶。
 互いにシュネーとムートであった時の、懐かしき記憶。

   ―――「……聞けば聞くほど、導王流って凄いね」
 
   ―――「まぁ、ね。……でも、まだ完璧じゃない」

   ―――「完璧じゃない?」

   ―――「ああ。……導王流は、まだ“極意”に至れていない」

「……導王流の、“極意”。終ぞ極める事のなかった、“全ての攻撃を導く”業」

 呆然と、だが、何かが沸き上がるような面持ちで緋雪は戦闘を見続ける。

「……凄い。凄いよお兄ちゃん(ムート)!!それが……それが導王流の本気なんだね!?」

 緋雪の心中は、驚きよりも歓喜が占めていた。
 まるで我が事のように。恋する乙女のように。

「見届けなきゃ、この戦いを……!」

 だからこそ、緋雪はこの戦いを一瞬たりとも見逃さないと、目を離さなかった。







「ふっ……!」

「っ、っ……!」

     キキキィイン!!

 斬撃が悉く受け流されるのを理解し、守護者は霊術も織り交ぜる。
 だが、それすら優輝は逸らし、受け流す。
 リヒトが使えなくなっている今、そんな事をすれば拳がタダでは済まない。
 しかし、優輝の拳は確かに傷は負っていたものの、明らかに反動が軽かった。

〈(導標の神力を負担がかからない程度に拳に纏わせる……なるほど、こうすれば私を使った時よりも防御力が高いですね……)〉

 その理由を、リヒトは冷静に分析していた。
 緋雪と同じく、リヒトも付き合いが長いため、優輝が“極意”に至った事を理解していた。そのため、不用意に自身がサポートするのは危険だと判断し、分析に徹していたのだ。

「ッ……!?」

     ボッ……!

 先ほどまでと違い、凌ぐだけの攻防ではない。
 そのため、優輝は自ら守護者へと間合いを詰める。
 それに対し振るわれる守護者の攻撃だが、その悉くが受け流される。
 咄嗟に守護者が身を捻ると、寸前まで胴があった場所を優輝のカウンターである掌底が穿っていた。







「な、なんて動きなの……!?まるで木の葉……いえ、羽毛を相手にしているかのよう……!それでいて、的確に反撃を……!?」

 その様子を、緋雪だけでなく鈴達も見ていた。
 そして、優輝の動きを見て武術
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ