暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第168話「その身が至るは―――」
[1/9]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話






       =優輝side=





「―――――」

 目の前に、守護者が迫る。
 僕の体は、動かそうとしても動かない。
 例え動いても、反応が遅すぎる。

「ッ―――」

 まるで世界がスローモーションになったかのように遅くなる。
 それは、死の寸前で見る走馬燈のようなものだろうか?
 どの道、スローに見えるだけで、それでどうにかなる訳ではなかった。

「………」

 守護者が刀を振るおうとしてくる。
 ……もう、助からないだろう。
 体は動かせない。少し動かせても、それだけでどうにかなる訳でもない。
 誰かが助けてくれる訳でもない。司たちは何とかしようとしたみたいだけど、司と奏がすぐに動けなかった時点でもう無理だろう。

「……ぁ……」

 ……その時、僕の脳裏を様々なものが過った。
 それこそ走馬燈のような、今までの事の全て。
 どこか俯瞰したような、現状の分析。
 そして、未だに諦められないと、足掻き続ける意志が。

「ッッ……!!」

 その瞬間、動かない体に喝が入る。
 心の中で雄叫びを上げながら、死ぬ訳にはいかないと、体を動かそうとする。

 ……そして。







     ピキ……パリィン……!

















   ―――“ナニカ”が割れた音が聞こえたような気がして、“変わった”。





























       =out side=







 優輝に向けて守護者が刀を振るう。
 それは、タイミングからして回避は不可能だった。

「っ!?」

 だが、結果としてそれは優輝には当たらなかった。
 なぜなら、刀の軌道が当たる前に逸らされたからだ。
 最小限。例えるならば、指で弾く。その程度の干渉。
 刀身に対し、そのような感覚で拳を当てただけ。それだけで攻撃を受け流した。

「ッ……!」

「………」

 守護者はその事に驚きはしたものの、すぐさま追撃を放つ。
 その様を、優輝は“無機質な”目で見据え……。

     ヒュッ、パァンッ!!

 その連撃の全てを、同じように受け流した。
 空気を切り裂く斬撃の音だけが響き、優輝は一切の無傷だった。

「くっ……!」

「っ!」

 さらに繰り出される斬撃。
 今度は、それを受け流すだけでなく、反撃に出た。

「っぁ!?」

 まるで突き飛ばされる程度。
 しかし、確かに守護者はカウンターによる反撃を食らった。
 まるで、そこまでの一連
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ