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繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ
04.猫達DEデスゲーム。
第15回 琴葉、後半戦開幕!!

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 後半戦開始。
 プレイヤーが屋敷の中に、ランダムに配置される。

 私が配置されたのは地下2階。薄暗い廊下が続いており、少し気味が悪い。怪我が回復しきっていない私にとっては最悪だった。

「痛い……」

 少し体を壁に預ける。体に空いた穴は能力によって塞いだが、完全には治っていない。全く、如何為たらあんな頭が狂ったような戦い方が出来るんだ。

「休んでたら直ぐに殺される。何処かに隠れることも出来ないし………」

 取り敢えず部屋に入るか。そう思い、近くの部屋に入る。

「お、凄く隠れやすそうだね」

 その部屋の中は物が乱雑に置かれていて、床には塵が棄ててある。少々不気味だが、我慢すれば良い隠れ場所になるだろう。
 少し休憩するかな。

 部屋の奥にあるクローゼットを開き、その中に身を潜める。
 恐らく、今回は屋敷の中で5人、庭で1人がスタートしている。屋敷はそれぞれの階に1人ずつという感じだ。
 まず、葉月やフランさんは千尋かレンを探すはずだ。千尋は中々面倒くさい事になりそうだが、レンは簡単だなぁと思っていると、何処かでバン! と大きな音が鳴る。これはドアが勢いよく開けられた時の音。

 既に地下2階にプレイヤーが来たのか?

「葉月か……」

 彼奴の事だから、きっと1階には行かない。後半戦となった今、最優先は生き残りだから。態々敵が多く居るところには行かない。また、1階スタートのプレイヤーに遭遇して、戦闘をする事が出来る程の時間はまだ経っていない。
 葉月は地下1階スタートで、地下2階スタートのプレイヤーを殺そうとしているのだろう。

「これじゃあまだ動けないよ……?」

 そう呟いたとき、この部屋のドアが大きな音を立てて開く。直ぐに短剣を構え、攻撃が出来るようにする。

「………ったく、誰も居ねぇか」

 そう声が聞こえて、ドアが閉まる音がした。でも―――――

 まだ葉月は出て行っていない。この部屋にプレイヤーが居ることを確信している。
 もう全ての部屋を調べ終わったのか、と感心していると、ガチャリと鍵が閉まる音が。

「はぁッ!? 誰だよ……オイ!!」

 矢張り、葉月はまだ居る。だが、問題はそこではない。
 今の問題は―――――

 鍵を持ったフランさんに、葉月と共に部屋に閉じ込められたことだ。

「フランか………オイ、出て来い琴葉。テメェが居ることはとっくに分かってんだからよ」

 何だ。クソ兄のくせに、ヤケに冴えてるじゃねか。

「後半戦開幕から最悪。何でお前と手を組まなきゃいけないのさ」

 クローゼットから出て、葉月に向き合う。

「それはこっちの台詞だボケ。………まぁ、分かってんなら話は早い。フランを殺す」



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