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海賊になって
第四章
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「そんなことは」
「そうか、こうした時結構な」
「ちびる奴いるんですか」
「特にはじめての仕事の時にな」
 襲撃を仕掛ける時にというのだ、先程のホセの様に。
「ちびることもな」
「ありますか」
「そうだよ、しかしちびらなかったからいいな」
「そうですか」
「ああ、じゃあ仕事終わったしな」
「これからですね」
「港に帰るぞ、若し出港してもこんな簡単に獲物見付けられないとな」
 それこそというのだ。
「もうずっと海の上だしな」
「二十日も海の上にいたんですが」
「たった二十日だよ」
 船長はホセにすぐに返した。
「今回はな」
「たったですか」
「ああ、本当にたっただよ」
「それが海賊の仕事ですか」
「もうずっと海にいてな、獲物が見付かるまでな」
 それこそというのだ。
「うろうろしないといけないんだよ」
「鮫がいてやばい海賊や海軍の船が見回ってる海をですか」
「ああ、嵐だってあるけれどな」
「その海をですか」
「ずっと回っていないといけないんだよ」 
 獲物が見付かるまではというのだ。
「丘にいる金持ちを襲う場合は違うけれどな」
「何かと大変なんですね」
「そうだよ」
 まさにと返す船長だった。
「俺達はな」
「そうですか」
「しかしもうな、今回はな」
「獲物が見付かったからですね」
「ああ、欲しいものも手に入った」
 お宝、それがいうのだ。
「だから帰るぞ、いいな」
「わかりました」
 ホセは船長の言葉に頷いた、そうしてだった。
 港に戻ることになったが次の日だ、昼に甲板で酒を飲んでいるとだった。 
 一緒に飲んでいたハイメが顔を険しくさせて言った。
「まずいな」
「まずい?」
「ああ、風が変わった」
「あれっ、そうですか?」
「これは嵐になるぞ」
 こう言うのだった。
「これはな」
「今晴れてますよ」
 ホセはここで空を見た、雲一つなく海と同じく見事な青を見せている。
「それでもですか」
「これは来る、だからな」
 それでというのだ。
「すぐに船長に言うぞ」
「嵐に備えて」
「ああ、帆を急いで畳んで甲板にあるものは中に入れるんだ」
 船のそこにというのだ。
「縛れるものは縛って動かない様にするんだ」
「急いでですね」
「ああ、そうしないとな」 
 ハイメは実際に甲板の上で海の状況を見ていた船長に報告しに行った、すると船長もすぐに船に乗っている者全員に言ってだった。
 帆は畳まれ動くものは全て縛られ中に入れられるものは入れられた。ホセはその作業の間まさかと思っていたが。
 実際に嵐になった、空は忽ちのうちに曇り大雨が降り風が起こり海は上下に左右に激しく揺れて波が甲板の高さまで来て。
 船は小舟の様に揺れた、ホセはその中でマストに必
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