第一章
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ネラプシ
本郷忠と役清明は仕事の依頼を受けその依頼先に来た、だが本郷は空港から降り立ってすぐに隣にいる役に言った。
「スロバキアにははじめて来ましたね」
「そうだな、東欧に来ることはな」
役も応えて言う。
「これまであまりなかったがな」
「その中でスロバキアには」
「はじめてだ」
「チェコと一緒だった時期がありましたね」
本郷は東欧独特の赤系統の色の煉瓦で先が尖っている建物が立ち並ぶ古い町並みを観つつ役に話した。
「第一次大戦から冷戦まででしたね」
「そうだったな」
「それで冷戦が終わって分裂して」
「今のスロバキアになった」
「そうでしたね」
「そのスロバキアに来た」
まさにとだ、本郷は役に話した。二人共欧州の寒い気候の中にいるのでコートやマフラーで厚着をしている。
「仕事にな」
「ですよね、それで依頼先ですが」
「この国のゼンプリンという地方だ」
そこだというのだ。
「車も用意している」
「スロバキアの車ですか?」
「いや、中古の日本車だ」
自分達の国の車だった。
「その車で今からそこに行ってだ」
「仕事ですね、東欧っていうと」
本郷は今度はこの地域の特色を考えた、考えつつそのうえで東欧独特の金髪碧眼で肌の白い見事なスラブ美人達を見ていた。
「美女、じゃないですよね」
「もう一つの要素があるな、東欧には」
「吸血鬼ですね」
本郷はすぐにこの妖怪の名前を出した。
「あれですね」
「そうだ、それだ」
まさにとだ、役も答えた。
「今度の我々の相手はこの妖怪だ」
「吸血鬼とかそういうのはこれまでも相手にしてきますけれどね」
「世界中にいるからな」
「はい、それこそ何処にでも」
世界に至るところにとだ、本郷も言った。
「いますね、奴等は」
「日本にもな」
「いますね、飛頭蛮なり何なり」
「本当に何処にでもいる」
「それで特にこの東欧は多いですね」
「有名だな、ルーマニアも」
「はい」
まさにとだ、本郷は答えた。
「というか吸血鬼っていいますと」
「ルーマニアだな」
「ドラキュラ伯爵のせいですね」
「そうだな、しかしな」
「吸血鬼は世界中にいますからね」
またこの話をする本郷だった。
「あの連中は」
「そして東欧はその本場でだ」
「スロバキアも東欧ですからね」
「ここにもいてな」
「今も出たんですね」
「そうだ、ゼンブリンのある村にな」
そこにというのだ。
「そして我々はその村に行くが」
「犠牲者がもう出ているんですね」
「何人もな」
「そこは聞いてますけれどね」
犠牲者が出ていることはだ、もう本郷も依頼を聞いて受ける時に聞いている。それで頷いて言ったのだった。
「ただ、色々な種
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