別伝 キルヒアイスとアンネローゼの最後 前編
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元々平民の間では焦土作戦などをして、評判の悪いラインハルトである。
さらに評判は地に落ちていった。
そして、ラインハルトの旗下艦隊でも動揺が起こっていた。
オーベルシュタインがラインハルトに囁く。
「閣下。このままで居ますと閣下まで粛正されます」
「その様な事」
「いいえ。あの女は本気です、あの目を見れば判ります」
「しかし」
「閣下このまま行けば、グリューネワルト伯爵夫人も害されます」
「馬鹿な姉上は関係無いではないか!」
「閣下が簒奪者として粛正されれば、間違えなく連座でグリューネワルト伯爵夫人も粛正されます」
「姉上」
「閣下、グリューネワルト伯爵夫人をお助けするには、あの女を殺すしか有りません」
「しかし、その様な卑怯なこと」
「閣下、あの女は卑怯にもグリューネワルト伯爵夫人を人質にするに違いありません、
手をこまねいていては、手遅れになります」
「姉上、姉上、姉上」
総旗艦クリエムヒルトが前進してくる。
テレーゼの演説は続く。
「シェーンヴァルト元帥の職を解き、収監する」
いよいよ最後である。
キルヒアイスもラインハルトより、アンネローゼの事を心配で胸が張り裂けそうであった。
「閣下!」
オーベルシュタインが決断を求める。
幽鬼のように立つラインハルト。
決定的な一言をオーベルシュタインが話す。
「御決断頂けないなら、
このまま行くと、グリューネワルト伯爵夫人は恐らく処刑されるでしょう」
自裁ではなく処刑の文字にラインハルトが反応する。
「全艦隊総旗艦クリエムヒルトを攻撃せよ!」
その言葉にほくそ笑むオーベルシュタイン。
各艦で混乱が生じるが、ラインハルト艦隊の内1万隻ほどが砲撃を行う。
いきなり砲撃に銀河帝国全土に驚愕が走る。
次の瞬間、総旗艦クリエムヒルトは爆炎の中にその姿を消し消滅した。
其処の集まった各艦隊、兵達が呆然と始める。
中には泣き出す兵士も多数出ている。
又捕まっている貴族達から、殿下!という嗚咽が聞こえ始めた。
ゼークト大将も怒りを露わにしだした。
「あの金髪の小僧を八つ裂きにしてくれる!」
しかし一番激高するはずのケスラー、ミッターマイヤー、ビッテンフェルトが涼しい顔をしている。
そして、大笑いを始めた。
「ハハハハハ」
気でも狂ったかと思う者が出たが、
次の瞬間、テレーゼが再度現れたことで、疑問が解けていった。
テレーゼ自身ラインハルトよりオーベルシュタインを全く信じていなかった為に、
クリエムヒルトを無人で進行させていたのである。
テレーゼは総旗艦ヴェルザンディに乗っていたのだ。
ラインハルトの叛意を確かめる為に敢えてそうしたのである。
ラインハルト艦隊は5個艦
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