04.猫達DEデスゲーム。
第13回 琴葉、自分と能力
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目の前には真っ白の自分。「アルビノ」って感じの見た目をしていて、私とは正反対。
ステージは屋敷の庭だろうか。まぁ、元のステージとは別世界の屋敷のものだが。
「いや、これは死ぬだろ」
手に握られているのはただの長剣。私の能力にかかれば、こんな剣触らずにへし折れる。これはただの玩具でしか無い。
『【重力操作】』
私の能力「能力操作」が唱える。直ぐに横に飛んで、重力の網を回避しようとするが、その前に体がふわりと宙に浮き、地面に叩きつけられた。
「ガハッ……」
地面が放射線状に砕ける。腹の底から熱いものが込み上げてきて、それを吐き出す。石畳が血に塗れた。
『【無から有へ】』
地面から黒い針が突き出し、体を貫通する。一旦上に持ち上げられたが、重すぎる重力によって直ぐに地面に叩きつけられる。それによって針はより深く体に刺さる。既に声も出ない。
誰だよ。こんな化け物級の能力を生んだのは。
『【空間操作】』
ステージを薄く発光するヴェールのようなものが包み込む。その次の瞬間、体に強い衝撃が。針が折られ、針が刺さった状態のまま、私の体は地面に転がる。血が溢れ、体を生温いものに包まれる。
『終わりだよ。【身体強化】』
強化された拳が振り上げられる。
――――――死んだ。
「………ぁぁぁぁあああああああ!!!」
咄嗟に剣を投げ、拳に当てる。軌道がずれ、態勢を崩しながら拳が地面に当たり、地面に凹凸を作る。
剣を拾って立ち上がる。骨が折れているのか、体に物凄い痛みが走る。
が、それがどうした。
何時だって私は、生きるために自分と戦ってきた。
自分にすら勝てない、愚かな人間には戻りたくない。
「らあああぁぁぁぁあああ!!!」
乱暴に振るった剣が、白い私の体に突き刺さる。が。
『こんな玩具で、私が死ぬと思ったか?』
―――――思っていないさ。お前には再生能力がある。
「だけど、君は私が作った存在だよ」
優しく笑い、剣を抜いて、白い私の脇腹から斜め上に切り上げる。軌道は読まれていたかも知れないが、それは白い私の体を2つに分断させた。
綺麗な白が、赤く染まる。
「じゃあね。そこそこ楽しめたよ」
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「矢っ張り、君は残ってくるんだね」
戻ったと同時に、頭上からフランさんの声。
「当たり前ですよ。この位で負ける訳がありません」
"プレイヤー1、プレイヤー2
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