04.猫達DEデスゲーム。
第12回 涙・葉月、自分と能力
[8]前話 前書き [1]後書き [2]次話
目の前には「色違い」の俺。与えられたのは銃。
―――――後ろには黒華葉月が居る。
……………後ろには水城涙が居る。
「重力」を操る水城涙と「時間」を操る黒華葉月。
能力の無い水城涙と能力の無い黒華葉月。
4人は同時に地面を蹴った。
視界の下の方で、溶けた鉄がぼこぼこと音を立てている。その上に掛けられた通路の上で、俺は重力と時間と戦っていた。
「クソッ……」
「立ち止まってたらすぐに下に落とされるぞ!」
「わかってるっつーの!! そっちも、時間止められてたらすぐに死ぬぜ」
「うっせぇ!」
重力にも時間にも、銃弾は通らない。ステージを狭くするだけだ。
どうにかして、攻撃しなければ。
「おわっ!?」
「オイ、水城!!」
―――――一瞬。本当に一瞬立ち止まった瞬間、俺は重力の網に掛かる。そして、すぐに炉の中に転落し、死ぬ。
はずだった。
「………ったく、あのムカつく琴葉から教わった事が生きるときが来るなんてな。最悪だぜ」
―――――どうやら、黒華葉月に助けられたようだった。炉の上から、通路へと引き戻されている。
「お前、どうやって……」
「命の恩人を『お前』呼びかぁ? まぁこの際どうでも良い。単純な話だ。お前の能力に銃弾を撃てば、それを避けるために自然と重力を銃弾に掛け直す。そうするとお前に掛かってた重力が消えるから、そこを引き上げただけだ」
……………琴葉と同じ事をしただけだがな。嗚呼、苛つく。
「少し待っていろ。俺がこんなヤツ、すぐに片してやるからよ」
―――――むかつくな。彼奴とそっくり過ぎてむかつく。
「ォラッ!!」
―――――葉月は通路から通路へ、一瞬の内に飛び移っていく。通った通路が重力によって、次々に炉に落ちていく。
「楽しかったぜ。重力と戦うのもなぁ!!」
「重力」の後ろに回って、背中に銃を押し当てる。そして、引き金が引かれた。
「時間も、そこそこ楽しめたぜ!!」
「時間」の目の前にスッと現れ、止まった時間が動き出した瞬間に発砲音が響いた。
_________________
___________
「お、戻れた」
「あ、涙さん、葉月さん。お疲れ様でした」
「良い戦いっぷりだったね。お疲れ様」
満面の笑みを浮かべながら待っているレンとフラン。フランに関しては随分と余裕そうじゃないか。
「で、残りは」
「決まっている。琴葉君だ」
[8]前話 前書き [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ