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オズのガラスの猫
第六幕その十

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「けれどね」
「この橋はなのね」
「そうして渡る必要もない」
「そうなの」
「そこまで固いから」
「それでなの」
「そう、安心して渡るのよ」
 まさにというのです。
「いいわね」
「じゃああたしが最初に渡るわね」
 つぎはぎ娘がくるくると回転しつつ言ってきました。
「そうするわ」
「ええ、それじゃあ」
「私達もね」
「つぎはぎ娘さんと一緒にね」
「そうさせてもらうわ」
「面白い橋だし」
「こんな橋オズの国にしかないわよ」
 それこそと言うつぎはぎ娘でした。
「そうでしょ」
「ええ、こんな橋ないわ」
「外の世界には」
「魔法で造った橋だから」
「科学で造った橋しかないから、外の世界には」
「だからね」
「そうよね、けれどそれがオズの国だから」
 魔法で造った橋もあるというのです。
「こうしてね」
「それじゃあね」
「今から渡ろう」
「あの水の橋を」
「そして渡ってどんな橋か確かめよう」
「是非そうしましょう」
「その好奇心いいわね、じゃあ一緒に渡りましょう」
 つぎはぎ娘は五人の周りをくるくると回って言いました、そして五人はそのつぎはぎ娘と一緒にでした。
 橋を渡りました、橋はとても固くてまさにコンクリートみたいでした。
 それで渡り終えてです、五人は嘘みたいだという顔で言いました。
「丈夫な橋だったわね」
「何人渡っても大丈夫」
「そんな橋だったね」
「いい橋だよ」
「コンクリートの橋と同じだけ」
「そうでしょ、それが水の橋なのよ」
 つぎはぎ娘は自分と同じく渡り終えた五人に言うのでした。
「確かに水だけれどね」
「固めてそうして」
「あそこまで固いんだね」
「それこそコンクリートみたいに」
「通り抜けたりせずに」
「何も通さない感じで」
 五人は驚嘆さえしていました、そこにです。
 オズマ達も渡ってきました、そうしてオズマも五人に言うのでした。
「お水も十分に固めればああなるの」
「コンクリートみたいにですか」
「そうなるんですね」
「氷みたいっていうか」
「水晶みたいっていうか」
「そうなるんですね」
「そうよ、お水を凍らせたら氷になるけれど」
 それと同じくというのです。
「固めてもね」
「ああなるんですね」
「コンクリートみたいに固くなって」
「凄く丈夫になるんですね」
「何人渡っても平気な」
「あそこまで固くなるんですね」
「そうなのよ、氷は凍って固まるけれど」
 再び氷のお話をするオズマでした。
「あの橋は凍らせずに固めているの」
「また違うんですね」
 ナターシャがオズマに応えました。
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