343部分:第二十五話 キャンプファイアーその十五
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第二十五話 キャンプファイアーその十五
「ただ」
「ただ?」
「肩車とかは駄目」
それはNGというのであった。
「そういうのは」
「駄目だね」
「そう。下から見えるから」
その理由も話した。
「だからそれは」
「わかったよ。っていうか」
「っていうか?」
「最初からそういうことはしないから」
こう椎名に答える彼だった。
「椎名さんが嫌がりそうなことはね」
「有り難う」
「御礼はいいよ。じゃあここは」
「そう、妬かせる」
ここでもこう言った彼女だった。
「周りに」
「性格悪いな」
狭山がその椎名にここでも突っ込みを入れた。
「何気に」
「じゃあ言い換えるけれど」
「ああ。どう言うんだよ」
「妬いてもらう」
こう言い換えたのだった。だがそれはだ。
狭山がだ。それを聞いてすぐにこう言ったことからわかることだった。その言ったことは。
「おい、それってよ」
「何?」
「一緒じゃねえのか?」
ここでの椎名の突っ込みはこれだった。
「それってよ」
「そうかな」
「ってそうだろ」
また言った彼だった。
「結局のところよ」
「そうかも知れない」
「って自覚してるのかよ」
「私は何時でも自覚してる」
「じゃあ確信犯じゃねえかよ」
「そうかも知れない」
またこう言う椎名だった。
「何はともあれ」
「ああ、妬かせるんだな」
「相手も妬かせればいい」
「それはわかったけれど」
津島はそのこと自体はわかったというのだった。しかしであった。彼女も突っ込みを入れずにはいられないことがあった。それが何かというとだった。
「つまりこの場合は私達がお互いにそうすればいいってことよね」
「そういうこと」
「若し相手がいない場合だったらどうするのよ」
彼女が問題にするのはそこだった。
「その場合は」
「そういう相手には見せない」
「見せないの」
「そう、見せない」
そうだというのだった。
「そうした相手には見せない」
「気遣いってやつね」
「私もそれは考えてるつもり」
椎名にしても人情はあるのだ。むしろそれはかなりはっきりしたものである。
「だから」
「それを聞いて安心したわ。じゃあ私もね」
津島はここまで聞いてにこりと笑ってだ。そのうえでだった。
狭山の方を見てだ。その笑顔で言うのだった。
「それじゃあね」
「俺かよ」
「そう、あんた」
まさしく彼であった。
「いいわね。それじゃあね」
「ああ、俺じゃなきゃ駄目だよな」
「そういうこと。あんたもそうなんじゃないの?」
「ここに来てるだけでいいよな」
狭山は顔を赤くさせて返した。夜だがその赤さはわかるものだった。
「それで」
「いいわよ。それじゃあね」
「
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