第六幕その八
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「あるわよ」
「あっ、貴女は濡れるとね」
「それで身体が鈍くなるわ」
「お水を吸うからね」
ぬいぐるみのその身体はです。
「それはあるわ」
「そうよね」
「あたしはお水も平気よ」
ガラスの猫はここでも言います、オズマの横にちょこんと座ったうえで。
「全くね」
「お水にも濡れないからね」
「そうよ」
まさにというのです。
「お水の中も底もね」
「普通に進めて」
「泳ぐことも出来るけれど」
「底を進むことも」
「出来るの、あたしはね」
「しかも息もよね」
「それをする必要もないから」
このことについてもお話するガラスの猫でした。
「全く平気よ」
「そうなのね」
「そう、こうしたことでも最高の身体なのよ」
「そこで自慢するよね」
「だって本当のことだから」
悪びれずに返すガラスの猫でした。
「嘘は言わないわ」
「そうなのね」
「そう、自慢と言われてもね」
「そう言うのね」
「そういうことよ、まああたしにとっては寒さも暑さもお水もよ」
「意味がないのね」
「砂もよ」
こちらもというのです。
「何ともないわ」
「私はーー駄目ーーですーーね」
チクタクはこう言ってきました。
「砂はーー身体のーー中にーー入るーーので」
「苦手なの」
「好きにーーなれーーません」
そうだというのです。
「どうーーにも」
「そうなのね」
「はいーーそうーーです」
まさにというのです。
「お水もーー錆びるーーので」
「中に入った後のお手入れが大変ね」
「全くーー以て」
「あたしは砂も平気だけれどね」
つぎはぎ娘はそうだというのです。
「お水は動きが鈍くなるの」
「綿の身体だから」
「どうしてもね、絞って干せばいいけれど」
「あっ、そうすればね」
「そうよ、もう何ともなくなるわ」
「それじゃあ洗濯みたいね」
「あたしは洗濯で奇麗になるしね」
自分からも言うつぎはぎ娘でした。
「洗濯にもなるわね」
「お水に入れば」
「ええ、その分ね」
「何か凄いお話ね」
「凄くないわよ、オズの国だから」
こうしたこともというのだ。
「だって何でもある国でしょ」
「まあそれはね」
「お伽の国だから」
まさにこのことに尽きます。
「何があっても起こってもね」
「不思議じゃないわね」
「そうよ、それとね」
「それと?」
「また橋があるから。この先にね」
つぎはぎ娘はナターシャ達にこのお話もするのでした。
「さっきの川の支流があってね」
「そうなの」
「そうよ、川があってね」
「そこにも橋が架けられているのね」
「そうよ、ただ今度の橋はね」
「トランプの橋じゃないのね」
「あの橋はミスター=ドラコの橋だから」
それでというのです
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ