求めるもの
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れに他の魔導士たちも飲み込まれたが、中央にいた二人の被害の方が大きいはず。
「大したものだ」
「そっちもな」
そのはずなのに、彼らは大きな傷が付くこともなく、平然と立っていた。
「やはり格が違う・・・」
「私たちが割っていける戦いではありませんね」
エルザとメイビスがボソリと呟いた。その時だった、アクノロギアが盛大に笑い始めた。
「なんだ?」
アクノロギアの方が有利である現時点で全く攻めきれないのに余裕な彼の姿はまさしく異常といえた。思わずティオスも怪訝な顔を浮かべる。
「ドラゴンの血が足りん!!我はもっと力を付けなければならない」
そう言って彼はティオスから視線を切った。彼の瞳に映ったのは、藍色の髪をした少女。
「貴様の血を浴びれば、我はさらに力を得られる」
その目は完全に常軌を逸していた。確実に仕留めることができる獲物を見つけた猛獣が、それを得ようと突進してくるではないか。
「こやつ・・・」
「行かせるか!!」
ウェンディの前に立ちはだかったのはオーガストとジェラール。彼らは仲間を守るために自らの危険を省みなかった。
「邪魔だ」
だが、アクノロギアは決死の二人も軽々と弾き飛ばしてみせた。
「「ぐあああああ!」」
「オーガスト様!!」
「ジェラール!!」
空中に投げ出された二人。しかし、彼らよりも危険が迫っているのはこの少女。
「我にその血を与えよ!!」
伸びるアクノロギアの手。それはもう天空の巫女の体を貫く寸前だった。
(シリル!!)
もうダメだと思わず諦めてしまったウェンディ。彼女は目を閉じ最愛の少年の顔を思い浮かべる。
ガシッ
だが、来るべき衝撃は来なかった。何が起きたのかと顔を上げると、そこにはアクノロギアの拳を片手で平然と止めている凶悪な男の姿があった。
「なんだ?貴様は」
少し眠たげな目をし、長めの髪を後ろへと流している東洋の衣服に身を包んだその姿を知るものたちは鳥肌が立った。
「貴様、強者だな?」
「天海、あなたしかアクノロギアを止めれる人間はいないわ」
天下無双・天海。ティオスに並ぶ最強の男が、混沌の地をさらに掻き回していく。
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