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空に星が輝く様に
341部分:第二十五話 キャンプファイアーその十三

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第二十五話 キャンプファイアーその十三

「これでよし」
「本当に速いな」
「ブラインドタッチしてなかった?愛ちゃん」
「ブラインドタッチは得意技」
 こう月美に答える。
「パソコンでも携帯でも」
「凄いな、それは」
「数やってればできる」
 陽太郎にはこう返す。
「そう、誰にでも」
「いや、それは無理だろ」
「ちょっと」
 陽太郎と月美はその椎名に対していささか引きながら返した。
「そもそも御前ってさ」
「色々と特殊技能持ってるのね」
「天才美少女軍師ここにあり」
 ここでもこう言うのであった。
「そういうことだから」
「説明になってない気もするがいいか」
「ううん、どうなのかしら」
 月美は明らかに困っていた。陽太郎も釈然としない顔である。
 しかしだ。二人はそれでもだった。屋上に行くことにはこうだった。
「じゃあとにかくな」
「これから一緒に」
「そう、行こう」
 椎名が言うとだった。その真後ろにだった。
 いきなり赤瀬が来てだ。そうして言うのだった。
「呼んだ?」
「呼んだ」
 実際にそうだと返す椎名だった。
「屋上に行こう」
「うん、それじゃあ」
 赤瀬は椎名の言葉にあっさりと頷いたのだった。
「行こうか」
「これでよし」
 椎名は小さく頷いた。
「行こう」
「うん、星を見にね」
 こうして彼等は今は星を見るのだった。そうしてだ。
 屋上でだ。彼等は星を見た。その中で陽太郎はまた言った。
「あのさ、月美」
「はい、何かありますか?」
「いや、月美の名前ってさ」
 彼女のその名前からだった。月美というその名前からだ。
「月だけれどさ」
「この名前ですか」
「星も好き?やっぱり」
「はい、好きです」
 その通りだと。こくりと頷いて答える月美だった。
「私確かに月好きですけれど」
「星もなんだな」
「大好きです」
 こうまで言う彼女だった。
「お星様は昔から」
「そうだったんだな」
「こうして夜にお空を見るのは子供の時から好きで」
 実際に月美は穏やかな笑顔でその夜空を見上げていた。無数の星達が瞬く夜空をだ。そうしてそのうえでこんなことを言うのだった。
「ですから」
「俺もさ」
 陽太郎は今度はこう言ってきた。
「あれなんだよ。星好きなんだよな」
「陽太郎君もですか」
「俺の名前は太陽だろ?」
 その陽太郎という名前についても話すのだった。
「けれどそれでもさ」
「夜空もですか」
「好きだよ。星大好きだよ」
 実際にそうだというのである。
「俺も子供の頃からさ」
「そうなんですね」
「星座とか好きだし」
「あっ、そういえばあれは」
 月美は夜空のある場所を指差した。そこには小さな七つ星があった。

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