機動戦士ガンダム
2120話
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変わらない」
ケンがそう言えば、俺にも何となく理解出来た。
つまり、人質と。そういう事だろう。
「なるほどな。ラルが俺を呼ぶ訳だ」
「……こう言ってはなんだが、俺は君の事を知らない。ラル大尉が君を高く評価しているのは分かるが、何が出来るのか聞いてもいいかな?」
ケンの言葉に、俺はラルの方に視線を向ける。
ダグラスという人物を……そしてその部下たるここにいる面々を信じてもいいのかといった、そんな問い。
そんな俺の視線を受けて、ラルは無言で頷く。
シャドウミラーやルナ・ジオン、セイラについてどれくらいの情報を話しているのかは分からないが、ラルが信頼出来ると考えたのであれば、俺も信じよう。
そのまま全員の視線が集まっているのを確認し、気配遮断のスキルを使用する。
『え?』
いきなり目の前から俺の姿が消えたように見えたからだろう。ダグラス、ケン、ガースキー、ジェーンの口から戸惑いの声が漏れる。
ラル達からは……もう俺の行動に慣れているからか、視線の先にいた俺の姿が消えても特に驚いた様子はない。
そんなラル達を一瞥すると、俺はその場から離れてダグラス達の近くまで移動する。
そうして気配遮断のスキルを解除し……
「っ!?」
へぇ。
真っ先に俺の気配に気が付いて反応したのは、ある意味で予想通りだったが、ジェーンだった。
そうして半ば反射的にだろう。何らかの格闘技の構えを取る。
そんなジェーンから一瞬遅れてダグラスが、そして数秒遅れてケン達が俺の存在に気が付く。
「随分と腕利きの秘書だな。羨ましいくらいだ」
「……どうやって移動したのか、聞いてもいいかな?」
俺の軽口を気にした様子もなく、ダグラスが尋ねてくる。
ダグラス達にしてみれば、自分が全く気が付かないうちに俺が移動するなんて真似をしてたんだ。
俺に害意の類でもあれば、今頃死んでいたのは間違いない。
ラルが俺を呼んだという事で、取りあえず敵という認識はしていないだろうが……それでも、やはり気になるのは止められないといったところか。
「俺の魔法だよ。……まぁ、正確に言えばちょっと違うけど」
「……魔法、だと?」
UC世界の人間だけに、やはり魔法というのは信じられないのだろう。
「ちなみに、こういうのもあるぞ」
そう言い、今度は気配遮断のスキルではなく、影のゲートに身体を沈める。
当然ながら、俺が影に沈んでいく様子は衝撃的だったらしく、ジェーンを含めて全員――ダグラス達、という意味――が唖然とした表情を浮かべていた。
そうして影に沈んだ俺が次に姿を現したのは、この倉庫の中でも端の方にある壁の近く。
「これで、魔法を信じて貰えたか?」
そう声を出す事に
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