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空に星が輝く様に
34部分:第三話 入学その十
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第三話 入学その十

「それが説明かよ」
「本当のことだから」
 その落ち着いたというよりは感情の見られない言葉で返す椎名だった。
「嘘は言わないから」
「ったくよ、何だってんだよ」
「じゃあこれから宜しく」
 椎名はまた言った。
「これからも」
「ああ、じゃあな」
 陽太郎は今度の椎名の言葉には頷くことができた。そして言うのだった。
「こちらこそな」
「宜しく御願いします」
 月美もにこりと笑って応えた。
「これからも」
「うん、宜しく」
 四人は明るく楽しく出会いの挨拶をした。しかしだ。
 星華は女子バスケ部への入部届けを書き終えそのうえで剣道部のところを探した。そこに陽太郎がいると思ったからである。
 それでそこに行った。しかしだった。
「えっ・・・・・・」
 陽太郎はいた。しかしだ。彼だけではなかったのだ。
 そこにあの少女がいたのだ。合格発表の時、それに電車の中にいたあの女の子だ。彼女の姿も認めたのである。
「何であの娘がいるのよ」
 その彼女が陽太郎と話しているのを見て呟くのだった。
「どうしてなのよ・・・・・・」
 まだクラスに入ったばかりで誰がいるのかさえもさっぱりわからない。実は自分の机に座っただけで他のことはまだ何もしていないのだ。
 あの女の子もどのクラスにいるのかわからない。しかしだった。
「・・・・・・・・・」 
 星華は彼女を見て自分の中に嫌な感覚が起こってくるのを感じた。何かたまらなくそれでいて歯噛みしたくなる。そうした嫌な感覚だった。
「・・・・・・何よ」
 そして呟くのだった。
「あんなに仲良く」
 こう呟き続ける。
「はじめて会ったような娘と。どういうことなのよ」
 その感情に包まれようとしていた。挙句には見ているのが嫌になってその場所を離れたのであった。
 その足で校門のところに向かう。暫く待っていると陽太郎が来た。彼は星華の姿を認めると気付いたように声をかけたのであった。
「ああ、佐藤」
「・・・・・・・・・」
 最初は彼の言葉に応えなかった。前を俯いて見たままである。
「待っていてくれたんだ」
「まあね」
「有り難う」
 何も知らない彼は明るく礼を述べた。
「わざわざな」
「いいわよ」
「いいのかよ」
「ええ」
 そしてだった。つい言葉を漏らしてしまった。その言葉は。
「そのことはね」
「そのこと?」
「あっ・・・・・・」
 言ってしまってから気付いた。しかしであった。 
 すぐに訂正してだ。こう言うのだった。
「何でもないわ」
「そうなのか」
「それよりね」
 取り繕ってからの言葉だった。
「もう帰るのよね」
「残っても仕方ないからな」
 だからだと返す陽太郎だった。
「部活も一年はまだだし
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