炎
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虎には敵わない。このままでは大切なものを守れない。それに先程の爆遁で、ハルマがいる場所からは離れた場所にいる。ハルマに危害が及ぶ事はないだろう。
もう、レツに迷いはなかった
「(ハルマ。お前が何考えてんのか知らねえけど、死ぬなんて許さねえからな。オレはまだ、お前に何も返せてねえんだからよ)」
「悪いけど、約束破るわ。ジイさん。オレはあいつらを助けたいから」
レツを中心として、炎の奔流が巻き起こる。風を伝って感じられる熱気は今までのレツのそれを凌駕していた
「はぁあぁあぁあぁあぁあああああああああああああ??!!」
「(何だ?この熱気は!)」
風は止んだが、熱気は消え去る事なく、肌を突き刺す。王虎はレツを見た時、思わず笑みを浮かべた。そこには黒く染まった髪を靡かせるレツがいたからだ
「ようやく、貴様も俺を楽しませてくれそうだな」
「ああ!そしてオレはお前に勝つぜ??王虎!」
レツの背中から溢れ出た炎は彼の身体から離れ、四体の分身となった
「(陽炎分身??)」
王虎に迫る分身たちは彼の人差し指から放たれた水鉄砲に当たったが、炎となって散る直前に煙玉を投げ付ける
「目眩しか・・・・」
視界が遮られ、見えるのは煙。その中から放たれる無数の矢が王虎を襲う
「(焔の矢・乱れ咲き!)」
右腕で覆うようにして、防ぐ王虎は矢が止み、煙が晴れたのを確認する。右腕を下ろした王虎だが、それと同時に雄叫びをあげながら、渾身の一撃を与えようとレツが、王虎に迫っていた
「うぉおぉおおおお??」
「火拳??」
咄嗟に右手を出して防いだように見えたが、炎は勢いを増し、王虎を呑み込む。レツの拳から放たれた炎は自らが拳となり、王虎を吹き飛ばした
「まだ・・・終わってねえか」
「中々・・・・・・これ程の力を有するとは思ってもいなかったぞ(こいつは歴代最強の業魔となるかもしれんな。業魔に日向。そして千手とうちはの血・・・ふっ。猿飛ヒルゼンは恐ろしい班を作ったものだ)」
王虎は向かい側から歩いてきて、そう呟いた。感心したかのような言葉を言い、レツを認めたような口ぶり。しかし、新たな攻撃の一手を既に繰り出していた
「だが、爆発は免れん」
レツの頭上に輝く玉は光を放ち、大きな爆発を起こす。爆風と共に、笑みを浮かべる王虎だが、爆心地を見ると、驚いたように目を見開く
「身に纏った炎で防ぐとは。器用な技を使うじゃあないか」
炎がレツを包むように纏わりついていた。それで爆発を防いだのだろう。傷一つなく、その場に立っている
「はぁあっ??」
レツが王虎に炎を纏った踵落としを仕掛ける
「火炎脚??」
「先程とはまるで違うな」
王虎は余
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