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魔女の使い魔
第四章
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 心美は兄の部屋に行って自分より二十センチ近く背が高くすらりとしたスタイルで黒髪が奇麗な兄にその薬を差し出して言った。
「ちょっと夏バテ解消の為にね」
「お薬をなんだ」
「作ったから」
 それでというのだ。
「飲んでくれる?」
「何か悪いね」
 控え目な兄は妹が差し出してくれた薬を見ながら少し戸惑いながら応えた。
「お薬まで作ってくれて」
「だってね、最近夏バテでしょ」
「うん、そう思ってたけれどね」
 自分でもというのだ。
「身体動かしてばかりでしかも暑いし」
「だからね、お祖母ちゃんと二人で作ったから」
「それでこのお薬を飲んだら」
「夏バテも一発で解消らしいわよ」
「そうなんだ、じゃあ」
「ええ、飲んで」
「そうさせてもらうね」
 護も頷いてだ、そしてだった。
 護は心美が差し出した黒い数個の小さな丸薬を飲んだ、すると翌日からだ。
 兄は元気になって夏バテも解消された、それでだった。
 その兄を見てだ、次郎吉は心美の部屋で主に言った。今彼女は部屋義でくつろいでいたがそこに声をかけたのだ。
「あのお薬飲んでね」
「ええ、あの通りね」
「お兄さん元気になったね」
「凄く効くお薬ね」
「そうだね、お祖母さんが作っていつも飲んでるだけに」
「そうね、魔女の魔術やお薬はね」
 何といってもとだ、心美は次郎吉に応えて話した。
「こうした時に使わないとね」
「困っている人達を助ける為に」
「その為にあるものだから」 
「いいことに使わないと駄目だね」
「悪いことに使ったら日本だったらね」
 歴史的に魔女狩りや異端審問といったとんでもないものがない国でもというのだ。
「昔だったらお奉行のお裁きだったから」
「金さんや大岡越前さんにだね」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「今でもそうした捜査班とか実はあって」
「捜査されてだね」
「取り調べ受けるから」
 そして捕まるというのだ。
「そもそも悪いことをしたら駄目でしょ」
「そうだよね、じゃあこれからもね」
「魔術やお薬は正しいことに使って」
「お祖母さんみたいにだね」
「奇麗にお金儲けしていくわよ」
「わかったよ、じゃあ僕もね」
「手伝ってくれるのね」
「ご主人の使い魔だからね」
 それ故にとだ、次郎吉は心美に明るく話した。
「当然としてね」
「そうしてくれるのね」
「そうだよ、じゃあね」
「これからもね」
「宜しくね」
「こちらこそね」
 心美は自分のベッドの枕の上から言う次郎吉ににこりと笑って応えた、そして今年の夏のこれからのことを考えるのだった。遊びのことを考えているがその中には学業だけでなく魔女としての色々なこともあった。


魔女の使い魔   完


           
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