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魔女の使い魔
第一章
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               魔女の使い魔
 佐伯心美は大阪市北区に住んでいる八条学園高等部に通う高校生だ、兄の護は三年生で彼女は二年生だ。
 茶色の髪の毛をショートにしていて優しい穏やかな感じの目と小さな唇を持っている。眉は細く奇麗なカーブを描いている。背は一六〇程で脚は見事な肉付きで胸は九十近くある。制服を着ても至福でもそのスタイルが目立つ。
 だが心美は今の自分の服を見回して自分の目の前にいる祖母にこう言った。
「流石にこの服だとね」
「体型が出ないとか」
「うん、魔女の服だとね」
「魔女の服はスタイルなぞ気にしないわよ」
 祖母はこう孫に返した、茶色の髪の毛は長くコーカロイドの顔立ちをしていて左目の付け根には泣き黒子がある。背は一六五程でかなりあだっぽい感じだ。着ている服は心美と同じ魔女の黒く丈の長い服に福と同じ色の長い鍔の三角帽子という魔女のお約束の恰好である。ただし二人共今はその手に箒や杖は持っていない。
「元々ね」
「そうよね」
「そう、けれど魔法やお薬を使うから」
「お祖母ちゃんもね」
「これで七十なのよ」
 自分のその顔を指差して笑って言った。
「そうは見えないでしょ」
「三十五位ね」
「若作りにも程があるわね」
「お祖父ちゃんも流石魔女って言ってるわね」
「そうよ、本場イタリアで生まれ育ったね」
 実はこの祖母はイタリア人だ、日本で占いやアクセサリーを売って儲けようとしたところで今の夫に会って結婚して今に至るのだ。つまり心美と彼の兄である護はイタリア人のクォーターなのである。
「本物の魔女よ」
「そうよね、喋り方もね」
「若々しいでしょ」
「とても七十には思えないわ」
「それが私の自慢よ、それでよ」
「ええ、今日もね」
「魔法教えるわね」
 こう孫に言うのだった。
「いいわね」
「ええ、それじゃあね」
「魔法は覚えたら」
 それでというのだ。
「占いにお薬にね」
「薬剤師の資格も貰えるから」
 公で認められるのだ、そのことも。
「それでよね」
「そう、しかも魔法のアクセサリーを作ってね」
「そちらでもお金儲け出来て」
「一生生活に困らないのよ」
「だからなのね」
「あんたにはね」
 イタリア訛りのないむしろ関西弁のアクセントが強い日本語での言葉だった。
「私の魔法を全部教えるわ、そしてね」
「私に娘か孫が出来たら」
「その娘に教えるのよ」
「一子相伝?」
「違うわ、弟子の娘達にも教えてるし」
「私もっていうのね」
「そうよ。いいものは伝えていかないと駄目でしょ」
 祖母は孫娘ににこりと笑って述べた。
「だからね」
「私にも教えてくれるのね」
「ええ。じゃあいいわね」
「今日も魔法の勉強ね」
「あとお店も手伝ってもらうわよ」
「わ
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