迎撃〜イゼルローン〜
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隊が主役となるような作戦を立ててくる。
そんな状況であれば、まともな議論などありえるわけもない。
レンネンカンプの目の前では、互いが互いに罵声を浴びせ、貶める発言を繰り返す。
子供のような会議とも呼べぬ学級会が繰り広げられていた。
結局、三時間ばかりを会議に費やして、決まったことは前回同様に駐留艦隊が敵を引き込み、砲撃によって仕留めるという何ら意味のない作戦会議であった。
+ + +
「ラインハルト様、艦艇の準備が終了しました。いつでも出撃が可能です」
「そうか。状況はどうだ」
「些か侮っていたようでしたが、少し強く説得したところ、素直に応じてくれました」
にこやかに話す様子に、ラインハルトは苦笑した。
「やりすぎないようにな」
「もちろん、加減は十分に」
「ミューゼル少佐」
二人が笑いあったとき、甲高い声が響きとなって聞こえた。
声の主に、二人は振り返って敬礼をする。
憲兵隊少佐であり、カプチェランカの話を聞きに来たとのことであった。
最も当人のヘルダー大佐はヴァルハラに向かっており、マーテルが自分の意見をかけてまで話す必要性もない。問題のない事柄に対して、無理やり首を突っ込むというのは実にわかりやすくもあり、ラインハルトは楽しんでいた。最も前回とは違って、今回は軍であるにも関わらず貴族の矜持がとか、ミューゼル家がといってこちらを陥れる声が多い。
軍に貴族の何が関係あるだろうか。
立派に名乗りをあげれば、敵が優しくしてくれるというのだろうか。
そう考えて、浮かんだのは自らと同じ金髪をした少年だ。
絶対にありえないだろうな。
「暇そうだが、乗艦の確認は終えたのかね」
「ええ。クルムバッハ少佐。確認は先ほど終え、既に出撃可能となっております」
「君の眼は節穴か、いや。目が二つあるだけましか、どこのものとも思えぬ血筋なのだから」
一歩前に出ようとしたキルヒアイスを視線で制して、ラインハルトは穏やかに笑った。
「それは失礼を。何か不備があったでしょうか」
「不備? 不備だらけだ、君も君のつまらぬ部下もどこをみているというのだ。艦内の汚い事、あの匂いはどうにかならないのか。清掃も満足にできないと見える」
追及する口調に、ラインハルトは笑いをこらえるのに苦労した。
どうやら目の前の人物は、どうやらホテル・フレイアを艦船に求めているらしい。
高貴な貴族にとっては、ホテル・フレイヤすらも汚いと不満を述べるかもしれないが。
「それは失礼しました。クルムバッハ少佐にはいささか満足できなかったかと。キルヒアイス」
叫んだ言葉に、赤毛の少年が一瞬丸くするが、すぐに真面目なものへと戻った。
「失礼いたしました、ラインハルト様」
「まったくだ、キル
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