迎撃〜イゼルローン〜
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ンマーがある限り、些かの問題もない。今回は駐留艦隊の各員は家でソーセージでも齧りながら、我々の勝報でも待っていていただければどうかな」
「それには及ばぬ。右と左もわからぬ要塞司令部だ、トールハンマーを反対側に砲撃した時に。おいそっちは逆だ、逆と教えるものが必要だろう」
その通りとばかりに頷く者たちに、今度は怒りを向けたのは要塞司令部側であった。
と、言うよりも過去の会議も同様に、誰かが発言し、反対側が皮肉を言って、怒らせる。
それを繰り返しているだけであるのだが、それを止める者は今まで皆無であった。
だが。
深いため息が、末席から聞こえた。
「反乱軍といえども、敵は三艦隊を揃えており、情報ではシドニー・シトレ大将を始めとした名将揃い。油断をすれば足をすくわれることになりますぞ」
カイゼル髭が特徴的な、頑固そうな中年の男であった。
ヘルムート・レンネンカンプ大佐。
駐留艦隊の査閲次長を務める彼の言葉は、至極真っ当な言葉であった。
だが、彼にとって不幸なことは、真っ当な人間が少なかったことであろう。
「艦隊司令部には随分と心配性な方がいるようだ。震えているなら、家で待っていてもいいですよ。大佐」
「レンネンカンプ、口を慎め。反乱軍などいくら数がそろったところで、問題がない」
双方からの厳しい言葉に、レンネンカンプは口を閉ざした。
階級か家の各か。そのどちらか、あるいは両方の上から否定の言葉を出されれば、それ以上に発言することはできない。仮に発言したところで、無意味なことになることは間違いがなかった。
「失礼いたしました」
素直に謝罪を口にすれば、つまらなそうに要塞司令部から微かな笑いが聞こえた。
「ま。家でのんびりバカンスというわけにもいかないであろうからな」
再びクライストが腕を振るうと、画面にイゼルローン要塞が映った。
赤い点と青い点が映る。
青い点はイゼルローン要塞の射程内にいて、左右から赤い点を狙っている。
「このように要塞の射程内から敵を攻撃してはいかがか。敵への嫌がらせぐらいにはなるだろう」
言葉に要塞司令部から笑い声が聞こえた。
「安全な場所にこもって仕事をしていると、それを他にも強いてくる。いい加減、ママのおっぱいから巣立ちというものを覚えてほしいものだ、誰とは言わんがな」
「卿は今なんといったか」
「何か聞こえたか、クライスト大将」
二人が立ち上がり、睨みあう。
そのような状況になれば、まともな意見など聞こえてくるはずもない。
最も会議自体が、そのためのものなのであるから仕方がない事であろう。
片や艦隊司令部には一切の功績を立てさせないように策を考える。
艦隊司令部も同様だ、要塞司令部には一切の功績を立てさせず、駐留艦
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