第3章 リーザス陥落
第110話 魔王の元へ
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を受け続けていた。
「だ、ダメ……です、かね……。せ、せっかく、トマトの、でばん……が……。ゆー、りさん、との……ごほーび、タイム、まってた、です……かね」
「トマト、さん……ッ。こ、こんな時に、変な、冗談…… く、くぅ……」
トマトとラン。頑張ってこの場にまで戦い抜き、生存し、城下の戦いでは大活躍を見せたのだが、やはりこの漆黒の前には、その力量が心許なかった様だ。動く事は問題ない。……だが、その絶対的な力を、圧倒的な死を前に、身体が、心が拒否をしてしまった様だった。
「ジュリア……きもち、わるいよぉ……」
「なん、でこんなトコに……。あ、あの壁、男が いってた…… 最悪の、魔王のところに、なんか……」
ひょんな事で一緒に行動する様になってしまったジュリア、アテンのコンビ。並のモンスターやヘルマンの敵兵ならまだしも、魔王の気配をその身に受けて大丈夫な筈はない。
「ユーリに付いてくるの……、間違えた、かなぁ……? さっさと抱いて貰って、帰ればよかった……?」
同じく一緒に来る事になり、自称愛人発言で大いに嵐を呼んでくれたネカイ。あまり 活躍してないんじゃない? と思われがちだが 頑張ってました。主に盗み方面を。それでも日頃のせい、とは言えない程の狂気を前にして軽口を叩けるのは流石かもしれない。
「なんて……っ、邪悪、な………」
「………とても気持ち悪いです」
「だ、ねぇ。あーぁ こりゃ 本気の本気でやばいかも。でもまぁ……… こっから先は、ユーリ達がやっちゃってくれるって話、だしぃ〜 私は私……でっ! っとぉ!」
セル、クルック―の背後にいたのは、ロゼだ。魔法バリアを瞬時に張ったクルック―やセルのおかげで、即ダウンを回避できたロゼは、懐から取り出した超レアアイテム《ALICEの護符》を掲げて、地面に叩きつけた。
光の領域が瞬時に生まれ――その光の範囲だけ、闇が迫らなくなった。
その場にいるだけで命を蝕む凶悪な闇を凌ぐ事が出来た、まさに快挙。ここ一番でのロゼの働きは半端ではない。命を蝕まれている感覚は、光の範囲内。決して広くはないがその範囲内では無くなりつつある。生気を失ったかの様な表情をしていた兵士達も徐々にではあるが、戻ってきていた。
「さー、て ちょっとは楽になったって言いたいけどぉ…… 一瞬でもアレ、浴びちゃ最悪な気分は抜けないみたい、ね。あー こういうときは悪魔とヤっちゃって、忘れるのが一番なんだけど、今は無理だしー。ダ・ゲイルを光の中によんだら一瞬で帰っちゃうからねぇ。てな訳で、アンタたちー」
ロゼはぱんぱん、と手を叩いて注目を集めた。
「ま、正直言えば、こーんな事言うキャラじゃないんだけどねあたし。……でもしゃーないから言うわ。……ア
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