第3章 リーザス陥落
第110話 魔王の元へ
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った程度で許される所業ではない事は理解できている。それに甘んじるつもりもない、が。トーマは力を入れる事は出来た。
「かたじけない。……報いる為にも、この命果てるまで戦う所存」
「まさか主と並び戦う事になるとは、長生きをしてみるもんじゃ。ヘルマンの黒騎士トーマ・リプトンよ」
「……こちらも同意する。リーザスの智将バレス・プロヴァンス。……儂が起こしたと言うてもよい厄災を、次代の者に背負わす訳にはいかぬのでな……。この命を使わせてもらう事を許してもらい重ね重ね感謝する」
敵国なれど共に時代を駆け抜けてきた戦士。バレスとトーマは想う所はあるのだろう。お互いに。
そんな2人を、リーザスの兵士達其々が胸に手を当てた所作を、軍事式敬礼をし 見ていたのだった。
「ユーリさん」
しゅたっ、と素早くかなみが天井より降りてきた。
「城下での戦闘は終わりました。城内でも殆どは降伏……敗走の二つのみです」
「ああ。ありがとな、かなみ。……つまりは最早確認するまでもない、と言う訳だ。……この先が最後と言う訳だ」
見上げる先は、横に並べば20人は通れる様な大階段。
その奥は漆黒で包まれているかの様に見えなかった。薄気味悪い気配だけは漂っていただけだった。
そして――――それはやってきた。
ただ、漆黒が漂っているだけだったのだが、明確な意思をもったかの様に 無限に広がるかの様に、闇が迫ってきた。……それは 凶悪な殺意。否、それだけでは言い表せれない。……さらにこの世のあらゆる不吉を孕んだかの様な闇が全員を覆った。
「…………」
「ぬっ……」
「ッ………」
「ぐっ……」
「――ッ!?」
強烈な寒気が、同時に全員に襲い掛かる。耐性の無い者達は、この闇に当てられただけで、バタバタと倒れていった。
「あー、これジルだな」
「……ふん。それくらい、オレ様でも判るわ」
例えるなら、体の内側から手をネジ入れられ、喉笛を鷲掴みにされたかのような不快感に襲われた。ただ立ってるだけで、命の危険を感じられるレベルだ。
「まー、判りきってると思うが、一応な。……この上だ。ちょっぴりずつだが、力を取り戻してる」
誰よりも強く感じているのだろう。カオスは二階部分をただただ睨み付けていた。魔王の気配をはっきりと見据える様に。
「っ……、くっ……! こ、この気配は……!」
「ぎ、ぎぼぢ、わるい…… なに、これ……」
「っと、大丈夫か? ミル。……ちぃ、頭、いてぇ……」
「ッ……、く……ッ、こ、こんなもの……ッ」
「し、しづ……か……、わ、わたし、ダメ、かも……」
カスタム組も比較的後ろにいたと言うのにも関わらず、甚大な影響
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