暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第110話 魔王の元へ
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剣は黙ってろ、と言いたいが、おいユーリ、何とかしろ」
「……無茶を言うな。ここまで命を吸われたら、どうしようもないソウルブリングと言う魔法を使って、疑似生命体、IPボディと言うアイテムに移し替えれば、ある意味では助かるかもしれんが、これだけの人数……、それにレア度で言えば最上のアイテム。……探す時間もない」
「……ふん。そうか、じゃあさっさと行くぞ」

 ランスは一瞥しただけで、その女の子達を横切り奥へと進む。

「……怒り、か。……それはそうだろう。全世界の女の子は自分のもの、と本気で信じているからな」

 ユーリはランスの背を見た。滲み出る怒りのオーラをその背に感じ取れた。
 久方ぶり、それは サテラにシィルを連れ去られた時以来だろうか。怒りは力を与えるが、冷静さは奪う。……ランスは上手く自身を押し殺し、冷静さは失ってはいない。理想的とも言える。

「……以前言ったが、ここ一番時で力を発揮する。どうやら誤りではないらしい」
「はい。……洗脳された時とは比べ物にならない力を感じます。……隣に並べる事が光栄極まれりです」
「……ふふ、まさに次世代の勇士じゃ」

 清十郎やリック、トーマも同じだったのだろう。ランスの背を見てそう呟く。

「……ああ。さて、アイツのやる気を削がん為にも、先へ急ぐか」

 進み続けるランスを追っていく。


 その行く先々で障害の数々。敵がいるのだから、当然……とも思えるが、まさかの味方による障害が此処にあるのはある意味衝撃だ。

 進むにつれて異常なまでの高温になり そして目の前には信じがたい光景が広がっていた。

「なんじゃこりゃーーーー!! 城の中に溶岩だと!? これも魔王ジルの力ってやつか……?」
「じゃなくて、これはリアの力よ。ほら、お城の最深部に溶岩があったらとっても格好いいでしょ?」

 深部へと続く道を埋め尽くす様に溶岩がグツグツと煮え滾っていたのだ。
 異常なまでの熱気を感じて不自然だった。ジルの気配は絶対零度……心から冷え切り、凍てつかせる様な邪悪な気配と真逆だったから。

「はい。私が手配を。……苦労しました」
「あの時からか? 随分とまぁヘンな方向に力入れる様になったんだな……」
「あ、あぅ…… り、リア様のご命令、ですし。その、一応、これまでの様な間違った事……では……」
「冗談だ気にするな、ただ、言ってみただけだ」

 隣にいたユーリは、そっとかなみの頭を撫でた。
 かなみは、少しだけ安心できたのだろうか……、或いはやはりユーリだから 恥ずかしくも嬉しいのか、表情が上手く作れなかったが、それでも先程 この道を進んでいる時よりははるかに柔らかくなっていた。

「……いい具合に力、抜けたみたいだな。大丈夫だ。かなみも、皆もこの戦
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