暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第110話 魔王の元へ
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ス姉妹も続く。逃げの選択は一切持ち合わせていなかった。

「…………」
「絶対に行くよね? 志津香」
「当たり前じゃない。……決まってるわ、そんな事」
「うん。……私も行く」

 志津香とマリアも同様。戦う事が出来る者全員が進む事を決めた。

「……ったく、ホントお前らは人間なのか? 悪魔の私でも、この気配はきついって言うのに」

 ふわりと下へ降りてくるフェリス。表情をやや強張らせながらも、全員を心配する様に見渡していた。

「え、へへ。リーザス……、いえ、元カスタム解放軍の将として最後までいかないと、ね? フェリスはユーリさん達の所に行かないで良いの?」
「っ。……良いもなにも、私には翅があるし。移動範囲が広いからどこいても関係ないし」
「ふふ……。あ、でもランスは大丈夫? 変な事言われてないの?」
「……それも大丈夫。今私を召喚してるのはユーリだ。………(こんな時までアイツは自分より、私の事、考えやがって……)」

 数度悪魔界へと戻ったりもしている。ランスが召喚しそうな時はタイミングを見て読んでくれている。流石に夜呼ばれる時は――、と思っていたのだが、そこもユーリの睡眠魔法と幻覚魔法で解決。

 悪魔の歴史を振り返ってみて 確かに真名を知られた悪魔はいる。その悲惨な一途を訊いた事がある。全悪魔の笑いものにもされた上に人間にこき使われ最後には死んだ者もいる。

 そんな歴史の中で、ここまで、ある意味尽くしてくれる主人など当然ながら訊いた事無い。否、主人(・・)だとはきっと本人も最初から思っても無いだろう。
 ずっと――仲間だと言っていたのだから。

「だから、私も腹くくった。相手が魔人であろうと、……魔王であろうと、最後までやらせてもらう」
「……腹くくってるのは私も同じよ。どれだけの圧力があっても。……どれだけ禍々しい気配があっても。全部、関係ない。……何処へでも行く」





 誰もが覚悟を決め、魔王の気配が色濃く漂う方へと足を踏み入れていくのだった。




 戦える者だけを連れて進み続ける。

 そして――あの奥へ奥へと進んでいき……進むにつれて、無残な光景が広がっていた。

 衰弱しきり、ほぼ骨と皮だけになった者が無数に、無造作に転がっていたのだ。辛うじて最後の命の灯だけは残っていた様だが。

「……無理だ。ロゼの全治全納の神を使ったとしても、……これは」

 小さく、呻く声を上げる女の子達。恐らく意識の殆どが無いのだろうが、それでも生きたい、と言う願いだけはよく伝わってくる。

「ジルの仕業だな、ノスはこんな面倒な殺し方はせん。人間の血から生命力を吸っていやがる。限界ギリギリまで吸って放置。……ふん、悪趣味な所は変わっておらん」
「ぬ……馬鹿
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