335部分:第二十五話 キャンプファイアーその七
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第二十五話 キャンプファイアーその七
「だからよく洗う。最後は冷水で頭皮をj引き締めるのも忘れない」
「最後は冷水か」
「それまでは熱湯。油を溶かして洗う」
このことも話す。椎名はこうしたところまでわかっていた。
「そうすること」
「わかった。じゃあそうするな」
「斉宮が薄毛になったらつきぴーが悲しむから」
「私そんなことで別に」
「しーーーーーっ」
椎名は月美が言おうとしたところでだ。右手の人差し指を自分の口元に当ててだ。そうしてそのうえで月美に対して言うのだった。
「斉宮が格好いい方がつきぴーにとっていいから」
「それでかよ」
「そう、私は何処までもつきぴーの力になる」
陽太郎への言葉だった。
「何時までも」
「有り難う、愛ちゃん」
「そういうこと。それだったら」
「それだったら?」
「そろそろはじまる」
椎名の言葉が変わった。
「そう、そろそろ」
「そうね。もうその時間ね」
「その通り。だから」
「今から用意をしよう」
「何か話が急に変わるな」
陽太郎は椎名のその言葉に難しい顔になって話す。
「右から左にな」
「風の中の羽根の様に」
「何時も変わるってか?」
「それが世の中だから」
「だから話もか」
「うふふ」
「うふふじゃねえだろ、そこで」
陽太郎は少し怒った顔をしてみせて抗議する。しかしここで、だった。
放送が聞こえてきた。その放送は。
「それでは皆さん」
「おっ、いよいよだな」
「そうね」
狭山と津島が笑顔の声を出した。
「じゃあいよいよ」
「踊りましょう」
「そうだね。じゃあ」
赤瀬はだ。椎名を見る。首がかなり下に向いている。
「僕達もね」
「踊ろう」
「何かこのカップルはな」
「踊れるのかしら」
「安心すること」
椎名が狭山と津島に言い返す。
「私ダンスは得意だから」
「いや、身長差がな」
狭山が指摘するのはやはりここだった。
「それは大丈夫なのかよ」
「それは問題にならない」
「大丈夫なのかよ」
「全然平気」
こう言うのである。
「ノープロブレム」
「英語もなんだな」
「それじゃあ踊ろう」
一同に話した。
「それぞれの場所で」
「ああ、そうだな」
陽太郎が椎名のその言葉に頷いてであった。そうしてだ。
全員フォークダンスの中に入った。陽太郎は当然月美の手を握っている。
その二人を見てだ。周りがまた言う。
「やっぱりあの二人って」
「そうよね」
「付き合ってたんだな」
「一年の普通科の?」
「三組と四組の」
「剣道部と居合部の」
こうそれぞれ言っていくのであった。
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