暁 〜小説投稿サイト〜
NARUTO日向ネジ短篇
【寄る辺ない気持ち】
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ネジが出してくれた和菓子を少しつまんだあと、ぽつりと呟くように話し出す。

「ママは……、わたしのこと、きらいなのかな」


「何言ってるのヒマワリ、そんなわけ──」

 ネジはハナビに視線を送って言葉を遮り、ヒマワリに静かに話しかける。

「……どうして、そう思うんだ?」

「だって……、わたしのこと置いてったり、ママ怪我しちゃって病院にいた時、ずっとパパのことばっかり心配してた。お兄ちゃんがパパのこと助けに行ったあとだって──。わたしのこと……どうでもいいのかな」

 泣き出したりはしないものの、俯いて消え入りそうな声で話すヒマワリは、見ていて痛々しいものがあった。


「あの時私は別の場所に居て、避難誘導していたけど……ヒマワリの傍には、ネジ兄様がいたのよね」

「あぁ……、ヒマワリは俺に預け、ヒナタは単身ナルトを助けに向かって行ってしまったからな」

 母親として、決して褒められた行動ではないとネジもハナビも感じていた。

……ヒマワリはそんな二人の会話を気にするでもなく話し続ける。

「パパとお兄ちゃんが帰ってきた時、ママはすぐパパに抱きついたの。次はお兄ちゃんに抱きついてたけど……ケガしてるお兄ちゃんのこと、心配してあげたらよかったのに。わたしのことも、抱きしめてほしかったのに──」

 独白ともとれるヒマワリの言葉に、ネジとハナビは余計な事は言わず静かに耳を傾ける。

「……昨日ね、パパが、かげぶんしんじゃないので帰ってきてくれてね、ケーキ買ってきてくれたんだよ。お兄ちゃんとわたしの誕生日すぎちゃったけど、またお誕生会してくれたの」

 そこでヒマワリはようやく笑顔になったが、すぐまた寂しげな表情になる。

「お兄ちゃんとパパが楽しそうにしてたから、わたしも一緒に遊びたかったんだけど、ママが急に怒って『いい加減にしなさい、ケーキ片付けちゃうわよ!』って言ってきた時にね……ケーキぐしゃあって落ちちゃった時のこと、思い出しちゃったの。わたしの誕生日にケーキ、食べれずに片付けられちゃったこと。
──昨日のママは怒ったあとすぐ笑い出して、ケーキ片付けちゃうって言ったのは冗談のつもりだったのかもしれないけど、わたしは……嫌だったな。パパがまた買ってきてくれたケーキはちゃんと食べれて、おいしかったけど……」

 ナルトが疲労困憊の影分身でやらかしてしまった事はネジもハナビもヒナタから聞いていたが、子供二人の誕生日会仕切り直しの場で流石にケーキ片付けちゃう発言のヒナタは軽率だと感じた。

「ママがパパのこと大好きなのはわたしにもわかるよ、わたしだってパパのこと大好きだし……。でもママのほうがずーっと大好きなんだよね、パパのこと。ママってきっと……そういう人なんだよね」

 ヒマワリ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ