【寄る辺ない気持ち】
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「──?あ、ハナビ、今大丈夫かしら」
まだ暑い日が続く夏場の午後、ヒナタは自宅から実家に電話を掛けていた。
『えぇ大丈夫よ、どうしたの姉様』
「ヒマワリがネジおじさんの家に一人で行きたいって言ってるんだけど、一人だと道中心配で……。私も一緒に行くわって言っても、ママは一緒じゃなくていいのって言うし……。ネジ兄さんの家に行かせるのにネジ兄さん自身を呼ぶのもどうかと思って、ハナビにヒマワリをお願いしたいんだけど──」
『……判ったわ、少ししたら迎えに行くから待ってて』
ハナビは日向家からうずまき家に向かう前に、離れの従兄の自宅に寄る。
「ネジ兄様、ちょっといいかしら」
ハナビが玄関から呼びかけると、藍色の着物姿のネジが奥から出て来る。
「どうした、ハナビ」
「ヒマワリがネジおじさんの家に一人で行きたいって言ってるらしくて、さっきヒナタ姉様から連絡がきたの。だけど一人で行かせるのは道中心配らしくて、今私が迎えに行く所なんだけど……都合が悪かったら私から断っておくけど、兄様どうする?」
「都合は悪くないから構わないが……、ハナビが行かなくとも俺が迎えに行くか、ヒナタがヒマワリと一緒にこちらに来ればいいと思うんだが」
「ヒマワリが、ママと一緒じゃなくていいって言ってるらしくて。ヒナタ姉様からしたら、兄様の家に行かせるのにネジ兄様自身を呼ぶのもどうかと思って私の方に連絡寄こしてきたみたい」
「そうなのか……。それなら悪いがハナビ、ヒマワリを迎えに行ってくれないか。俺は和菓子でも用意しておくよ」
「えぇ、任せて」
「──ネジおじさーん、おじゃましまーす!」
玄関から従姪の明るい声がした。
「いらっしゃい、ヒマワリ。元気にしてたか?」
ナルトが奪還された後、しばらく会っていなかったので顔が見れて嬉しく、ネジはヒマワリの頭を優しく撫でる。
「……うん、元気にしてたよ」
その言葉と裏腹に、ヒマワリは俯いたままネジにぎゅっと抱きつく。
「じゃあ、私は自分の家に戻るわね」
ハナビがネジの自宅から離れようとした時、ヒマワリが呼び止めた。
「ハナビお姉ちゃんにも、いてほしいの」
「え、いいの? ネジおじさんだけに話したい事があるんじゃないのヒマワリ」
「…………」
ヒマワリは寂しそうな表情で、黙ってしまった。
「ヒマワリがハナビにも居てほしいと言ってるんだ。……その通りにしてあげてくれないか」
「えぇ、いいわよ。ネジ兄様と一緒にお姉ちゃんもヒマワリの傍に居るからね」
「うん、ありがとうおじさん、お姉ちゃん」
「──?あのね、ママのこと……なんだけどね」
ヒマワリは
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